20卒 本選考ES
分析・製剤研究開発職
20卒 | 東邦大学大学院 | 男性
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Q.
「学業、ゼミ、研究室などで取り組んだ内容」をお書きください
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A.
私は国立精神・医療研究センター病態生化学研究部で、てんかんモデル動物の解析及び治療薬探索のテーマで研究活動を行いました。 研究所内のてんかん患者においてDscaml1遺伝子に変異を持つ患者が見つかりましたので、その遺伝情報を持つモデル動物を作成しました。変異型Dscaml1モデル動物の脳内ではてんかん発作を引き起こしやすい生物的に脆弱な状態にあることを示唆するデータを得ました。私が所属しているチームの室長さんは様々な大学や研究所と連携したプロジェクトの一部であるモデル動物の薬物効果測定を私に一任して頂きました。しかし、研究を進める際に自分には薬物に関する知識や技術が不足しており学ぶ必要があると考えました。自ら文献を読み漁り、足りない技術は同チームの研究員の方と一緒に努力を重ね実力を付けました。結果、実験1つ1つの作業時間が短縮され、1年半かかる予定が1年という短期間で目標とする個体数を揃え解析まで終えることが出来ました。この経験から知識や経験のない仕事に対し主体的に取り組む事で得られるやりがいや成功経験を得ました。 続きを読む
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Q.
自己PR
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A.
私は常に物事を客観的にとらえ、全体を把握、理解し行動できます。研究部内の各チームに所属している学生はミーティング内での発言力の無さや学生間の繋がりが希薄であると感じた為、自分の立ち位置を理解し解決策を講じました。教本に書かれている内容を学生がパワーポイントにまとめ週一で発表し、ディスカッション形式で話し合う勉強会を企画・運営しました。勉強会の運営を行うにあたり自分にしかできない仕事に対しては必ず付加価値をつけるよう努力し、大切にしました。そして他の人でも出来るような仕事は極力後輩にお願いすることで自身の他の仕事に差し支えないように工夫しました。結果、知識量が増えるだけでなく、質疑応答を通して学生たちの洞察力や発言力、そして学生間の交流を深めることが出来ました。私自身は勉強会を通して問題提起された際に必ず自身の意見とその経緯について理路整然と説明できる力が身に付きました。研究員としても常に問題意識をもって業務に取り組み、自身のアイデンティティー活かした付加価値を大事に成長していきたいと思います。 続きを読む
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Q.
学生時代に力入れたこと
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A.
修士1年次に研究とアルバイト、大学の講義などの優先順位の高い仕事に対して両立したことです。これらは私にとって正確かつ相応な結果を出す必要がありました。私は何度も諦めかけ半端な結果のまま終わりそうになり苦しい日が続きました。しかし研究を生業としている環境に身を置き、1人の研究者として評価されるために来たことを思い出し決意し腹をくくりました。そこで私は半年のスケジュール管理と必要な金額を明記することで目標設定を行いました。研究テーマに対しては技術習得に必要な時間を明確にし、実験の合間に練習を重ねました。必要な知識は電車の移動時間やバイトの休憩などの時間を利用しました。結果1年半かかると予想されていた実験が1年で終わり、金額面で生活に困ることはなく、大学の講義も無事単位を取り両立することが出来ました。この経験は無理だと思われた課題に対し、粘り強く最後まで諦めることなくやり遂げられる自信になりました。私は研究員として勤める際にも就活で何を思い何のためにここに来たのか、どんな思いで社会に貢献したいと思ったのかを大事に忘れないで行きたいと思います。 続きを読む
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Q.
研究概要
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A.
私は国立精神・神経医療研究センター 病態生化学研究部 星野幹雄部長指導の下で、てんかんモデル動物の表現型解析及び治療薬の探索をテーマに研究活動を行いました。 てんかんは人口の約1%が罹患する精神疾患であり、その発症には遺伝要因と環境要因が複雑に関係するとされています。しかし発症・進展機構も理解不足で良い診断・治療法も確立されてはいません。当研究部ではてんかん症状を呈する原因不明の自然発症ラット突然変異体・イハラてんかんラット(IER)の解析を進めています。解析からIERの原因遺伝子としてDSCAML1を同定しています。また、NCNP内にいるてんかん患者から得られた1塩基置換型DSCAML1ノックインラットを作成しその表現型を解析致しました。 この研究目的としましては今回作成しました変異型ラットがてんかんモデル動物としての表現型を備えていた場合未だに発症メカニズムや良い診断・治療法が確立されていないてんかんという病に対して大きく貢献できるモデル動物であると言えます。根本的な治療薬探索のために必要不可欠なモデル動物といえるでしょう。 実験方法としましては、1つ目は変異型ラットを還流固定し脳を摘出、その後海馬内の抑制性神経細胞を免疫染色しました。そして抑制性神経細胞同士の距離を測定しました。結果、海馬内の抑制性の神経細胞の異所性を支持するデータが出ました。 2つ目は変異型ラットの解析領域を変更しました。脳の高次機能を司る場所として知られている領域の神経細胞のシナプス形成を解析しました。ゴルジ染色法で神経細胞を可視化し神経細胞のシナプス形成について測定しました。結果、野生型に比べて変異型はシナプス形成が未成熟であり自閉症様な症状がみられました。更に他大学や研究所と連携したプロジェクトの1つに発達障害や統合失調症の新規治療薬を投与すると成熟型のスパイン形成が促進されるデータが出ました。 まとめますと変異型ラットの脳内ではてんかん発作を引き起こしやすい生物的に脆弱な状態にあることを示唆するデータを得ました。そして一部ではありますが薬剤投与によるレスキューデータも出ました。 今後の予定としましては新規治療薬が他の表現型をレスキューすることが出来るのかということの確認と、てんかん発作誘発剤を変異型ラットに投与した際に野生型と比較して変化がみられるかどうかについて行っていく予定です。 続きを読む