17卒 本選考ES
研究職
17卒 | 東京理科大学 | 男性
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Q.
研究概要
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A.
【背景・目的】適度な摂取カロリーの制限(CR)による抗 老化・寿命延伸の詳細な分子機構は不明ですが、オートファジーが注目を浴びています。化合物Xについて寿命延伸やオートファジー促進作用、メタボリックシンドローム予防などのCR様効果も期待されていますが、その分子機構は不明です。化合物Xが代謝改善作用を示すCR模倣薬となるかを明らかにするため、オートファジーに及ぼす影響とその機構を解析し ました。【方法】マウス肝臓細胞Hepa1-6とマウス胎児線維芽細胞MEFsに化合物Xを処置しました。オートファジー機能への影響は、WesternBlot法によりオートファゴソームマーカーLC3と選択的基質p62タンパク質で評価しました。mRNAへ及ぼす影響はReal-TimeRT―PCR法で解析しました。活性酸素種(ROS)は蛍光プローブを用い、蛍光強度を定量しました。【結果・考察】「オートファジー機能解析」Hepa1-6で、化合物XはLC3-IIタンパク質量、p62のmRNA・タンパク質量を上昇させました。Atg5欠損MEFsでもp62タンパク質量を上昇させました。以上より、化合物Xはオートファジー誘導作用とp62発現誘導作用をもつことが示唆されました。「Keap1-Nrf2経路の解析」p62で活性化するKeap1-Nrf2経路に着目しました。化合物Xは転写因子Nrf2の核内発現量を上昇させましたが、p62欠損MEFsでは変化しませんでした。以上より、化合物Xはp62を介してNrf2の核内移行を促進することが示唆されました。「Keap1-Nrf2経路の開始点解析」p62の発現上昇のスイッチを特定するためによりp62の上流因子TFEBに注目しました。継時的に核画分のTFEBとNrf2のタンパク質を解析しました。Nrf2よりも早期にTFEBタンパク質量が上昇し、p62のmRNA発現量も上昇しました。以上より、前述までの機構はTFEBが開始点であることが示唆されました。「抗酸化機能解析」Nrf2の下流因子のmRNA発現を解析しました。Hepa1-6で、化合物Xは抗酸化下流因子Ho-1、Nqo-1のmRNA発現を上昇させました。そこでROSを定量しました。化合物Xの前処置でパラコートによるROS誘導は抑制され、抗酸化効果を示しました。以上より、化合物Xの抗酸化機構とその効果を明らかにしました。 続きを読む
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Q.
学業、ゼミ、研究室などで取り組んだ内容
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A.
臨床現場での実務実習において、患者様の生活の負担を減らせるように取り組みました。患者様のQOLの低下を招いていることがとても気に掛かったからです。苦しむ声を耳にし、「私がなんとかしなければ」という気持ちが強まりました。そこで、薬学的な知識から原因を考え、代替案とその正当性を吟味し、医師に対して処方提案しました。患者様のQOL向上や生活でできることが増え、治療に対しても前向きになれたという声を聞き、治療生活の負担を減らすことは理論的な効果以上の結果をもたらす治療だということを学べた有意義な実習でした。 続きを読む
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Q.
学生時代に最も打ち込んだこと
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A.
3年間取り組んでいる研究において、仮説を立ててディスカッションをすることに最も打 ち込みました。まずは様々な論文情報を基に自身で全力の考察をし、その上で先生方や研 究室内に意見を求め、着実に実験をしていくことを心掛けています。私は実験をするに当 たり、「実験の目的を明確化すること」を軸としています。こうすることで、論文調査、 仮説、ディスカッション、実験という4つの周期をスムーズに進めることができると考え ています。一人では解決に繋がらず、実験成果が実らない経験から、自身の仮説に多くの 人の意見を取り入れることで多面的な切り口の発見に繋がるディスカッションが重要であ ると気づきました。そこから先生方や研究室内で活発にディスカッションをすることで、 目的を明確化した研究周期を回転できるという収穫を得ました。現在、有意義なディス カッションを日々繰り返すことで自身のその能力を磨いています。 続きを読む