高校では、吹奏楽部でクラリネットを演奏していました。部員数約100名の中約8割が経験者で、休みはほとんどなし、コンクールでは毎年金賞を獲るような部活でした。私は以前からピアノを習っており音楽が好きで吹奏楽に興味があったことと、先輩方の演奏を聞いて感動したことから、初心者での入部を決意しました。早く技術を追いつかせたいという一心で、誰よりも練習時間を確保し、練習内容の質をあげることで努力し続け、少しずつ実力を身につけていきました。例えば、全体練習後に教室の鍵を閉めるギリギリまで居残ったり、自宅に楽器を持ち帰って自分の音を録音し聴き比べたり、先輩や経験者の同級生に頼み込んでマンツーマンで教えてもらったりしていました。そうした地道な努力が実り、二年生の夏、オーディション形式で行われたコンクール選抜でメンバーに選んでいただくことができました。コンクールに向けての練習では、先輩や経験者との実力の差が浮き彫りになり、心が折れかけることが何度もありました。しかし、その度に選んでいただけたことへの喜びと責任を思い出し、練習に励みました。結果、コンクールでは銀賞を獲ることしかできませんでしたが、全ての力を注いで挑んだコンクールは何事にも変え難い貴重な経験になりました。もともと努力家な方ではありましたが、この経験を通して努力の仕方を学び、より向上心を持って物事に取り組むことができるようになりました。また、私はクラリネットパートのパートリーダーも務めていました。ある時、進路のことを考え部活を辞めたいと後輩が相談してきてくれたことがあり、親身になって応えたところ、卒業式の日にわざわざ会いにきて感謝の手紙を渡してくれました。先頭に立ってみんなを引っ張る力はありませんでしたが、支えることはできていたのだと実感しとても嬉しく、手紙は宝物になりました。リーダーの形にも様々な形があることを学びました。
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