「貫」だ。この漢字は一貫や貫徹といった言葉に使われるが、私はこれらの言葉の通り、どのような状況・環境でも自分の意見を持ち、それを貫くことができるからだ。この能力は中学・高校でのイギリス居住の経験や、サークルでの離島研修、大学での1か月に及ぶ航海実習などで多種多様な価値観にもまれ続けたことで、伸びたと考えている。これらの状況下では多様な周囲に迎合するだけでは自分が埋もれてしまったため、自分自身も多様な価値観の一つであることを自覚し、主張する必要があったからだ。多くの人がコミュニケーションにおいて他者との協調性・共感性が重要だというが、私はこのような経験から、前提として自分の意見を持ち、貫く力が非常に重要だと考えている。それがなければコミュニケーションは馴れ合いでしかなく、多種多様な価値観であふれる世の中において、真の意味でお互いを知ることはできないだろう。この貫く力は、チームをまとめて目標を達成しようとするとき特に役に立った。所属サークルで国際学会での発表を目指した際、海外に行ける楽しさによって参加している者や、英語力に不安を抱え準備に消極的になるものなど、学会への思いやモチベーションが人により異なっていたため、全員をまとめることは容易ではなかった。そこで、一人一人と自分の考えを伝えながら対話を図り、それぞれの思いやモチベーションを汲むよう心がけた。その上で不平等感のないように全員に、それぞれの適性を考えた仕事を振り分け、モチベーションの維持を心がけた。結果、全員が前向きに学会に向き合うことができ、発表までたどり着くことができた。この時私が一貫して自分の姿勢を変えなかったこと、またその姿勢を周囲にしっかり伝えたうえでコミュニケーションを図ったことが、目標を達成できた要因だと考えている。このような経験から、私は「貫」で表現できると考える。
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