22卒 インターンES
総合職
22卒 | 明治大学 | 女性
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Q.
今現在行っている研究について、「研究テーマ」をお答えください。100字
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A.
Go Toトラベルキャンペーンの経済波及効果 続きを読む
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Q.
今現在行っている研究について、「研究内容」をお答えください。
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A.
本年度7月から実施されているGo Toトラベルキャンペーンはコロナ渦の日本にどれほどの影響を及ぼしたのか、その効果を定量的に自分たちの手で導き出した。今回参考にしたのは産業連関表と観光庁が発表するGo Toトラベルに関するデータである。 このテーマを選定した理由は第三次産業活動指数の分析より、生活娯楽関連サービスの落ち込みが大きいと判明したからだ。その生活娯楽関連サービスの構成主体は宿泊業(旅館・ホテル)、旅行業(国内旅行・海外旅行・外国人の日本旅行)である。2018・19年の同時期と比較し、2020年の落ち込みが新型コロナウイルスの動向と類似しており、相関関係があると判断した。そしてその落ち込みの改善策としてのGo Toトラベルに着目することにした。現段階で導き出すことが出来たのは産業連関表や観光庁のデータが揃っている7〜9月のみであったため、この期間におけるキャンペーンの経済波及効果について論じる。 まずは2019年の7月〜9月における旅行・観光消費動向調査の結果から1人当たりの旅行単価を把握した。宿泊は57,412円、日帰り旅行は16,341円、平均単価は39,497円であった。この値から宿泊者旅行者・日帰り宿泊者の割合を求める際、57412X+16341(1−X)=39497 という方程式を立てた。これを解くと、X=0.575となり、宿泊旅行者は例年では全体の約6割(正確には57%)となった。現時点で宿泊旅行者と日帰り旅行者の割合が発表されていないため、これを基に今回のGo Toトラベルの経済波及効果を求めること当初は検討した。しかし、Go Toキャンペーン下では高いホテルや旅館ほど割引価格が高くなるためこの水準が今回にも適用できるとは言い難い。従って私たちは、全旅行者1689万人のうち宿泊旅行者:日帰り旅行=9:1の場合と6:4(例年通り宿泊旅行者が6割)の2パターンの波及効果の予測値を導出した。具体的な求め方は①宿泊旅行、日帰り旅行の各消費支出額を求める。② ①のうち各品目(食料品、交通費、宿泊費等)の割合を求める。③各品目に該当する列和、自給率を産業連関表から読み取り、それぞれの消費支出額に掛け合わせる。以上が国や自治体が発行する産業連関表から経済波及効果を算出する過程だ。これに沿って波及効果を導出した。この結果、宿泊旅行者が9割の場合の経済波及効果は1兆2941億円、6割の時は9584億円と求めることが出来た。つまり、宿泊旅行者が3割増えると経済波及効果は3000億円程増えるということが判明した。 以上が現在行なっている研究で正確な数値が出ている部分である。今後も研究を継続し、キャンペーン終了時までの最終的な波及効果についても予測するつもりだ。この研究を通し、使用したいデータが全て揃っていなくとも、それらの扱い方次第で結果を導き出すことは出来ると学んだ。 続きを読む