【20卒】ＷＤＢエウレカの研究技術職の最終面接詳細 体験記No.7612（岐阜大学大学院/女性）（2019/7/24公開）

座談会の面談でははっきり答えられなかった実験機器などについて復習していったので、研究内容や手法について質問された際にはっきりと答えることができたのはよかったと思う。また、全国転勤型を志望したことも高評価につながったと思う。

一次面接同様、雑談を交えた柔らかい雰囲気で面談を行った。質問内容についてもほとんど変わらなかったので、前回答えられなかった部分をしっかり復習して臨めば大丈夫だった。

現在行っている研究内容を教えてください。

【研究テーマ】
　柴犬におけるイヌアトピー性皮膚炎の感受性遺伝子の探索
【研究背景】
柴犬では他犬種と比べて皮膚疾患をもつ個体の割合が多く、遺伝的にイヌアトピー性皮膚炎（cAD）にかかりやすいといわれている。cADは発症すると激しいかゆみや発疹が慢性的に続く。cADは表皮バリア機能の低下と免疫システムの過剰反応によって引き起こされるとされている。よって、表皮バリア機能とIgE抗体の産生に異常をもたらす遺伝子変異を持つ個体は、健康な個体と比べて遺伝学的にcADを発症しやすい個体だと考えられる。
【研究目的】
本研究の目的は、cADを発症しやすいとされる柴犬において、cADと関連すると考えられる遺伝的な変異を発見することである。cADの感受性遺伝子変異が分かることで、cADを発症しやすい個体が産まれやすい交配の回避や、cADを発症しやすい個体への早期対応などに役立てることができると考える。
【実験方法】
　ヒトやマウスにおいてアトピー性皮膚炎に関連すると考えられているいくつかの遺伝子のうち、特に注目に値すると考えられる表皮バリア機能に関連するクローディン1（Cldn1）遺伝子と、免疫機能に関連するIL1RL1遺伝子の2つの遺伝子に注目する。
cADを発症している柴犬（30個体）と発症していない柴犬（30個体）を対象とし、それぞれの血液を採取する。この血液から抽出した血清を用いて解析する。血清からDNAを抽出したあと、PCRにより配列を増幅し電気泳動により増幅を確認する。その後PCR産物をシークエンスにより塩基配列決定し、対象とする領域に変異が生じているかどうかを調査する。変異が見つかった場合、その変異のアレル頻度をcAD発症個体と非発症個体の間で比較する。
【期待される結果】
　ヒトやマウスにおいてアトピー性皮膚炎と関連があると考えられている遺伝子領域と対応している柴犬の遺伝子領域に、アミノ酸の変化をもたらす変異があることを期待する。これにより柴犬におけるcADの感受性遺伝子を特定することができれば、cADを発症しにくい子を産む交配のペアを決められるだけでなく、イヌにおいて得られた遺伝学的知見をヒトのアトピー性皮膚炎においても利用することができると考えられる。
【今後の展望】
　獣医の先生のご協力のもと、8月ごろにサンプルが全て提供される予定であるので、現在はDNAの抽出方法やプライマーの設計、PCR条件等を検討している。サンプルが揃い次第解析を進めていき、対照領域に有意な変異があるかどうかを検討する。

全国転勤型志望ということですがよろしいですか。

私はエリア限定型でなく全国転勤型を志望します。その理由としましては、
・場所よりも事業内容を重視する。
・エリアを限定すると希望するバイオ系の職種につける可能性が低くなる。
・いったことのない初めての土地に対する抵抗感が低い（幼少期にシンガポールに住んでいた経験などから）
などです。私はバイオ系の研究技術を身に着け、自身のスキルアップにつなげたいと考えているため、場所を限定するのではなく、最先端の知識や技術が学べる場所で働きたいと考えているため、全国転勤型を志望しました。
しかし、将来はライフイベントに合わせてエリア限定型にも変更できるとお伺いしましたので、結婚・出産などのライフイベントがある際にはそれに合わせて働き方も変えていきたいです。このことができるのも志望します理由の一つです。