18卒 本選考ES
総合職
18卒 | 京都大学大学院 | 男性
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Q.
当社を志望する理由を述べてください。あわせて、上記の希望部門やご自身の興味・関心を踏まえて、入社後に取り組んでみたいテーマと、あなたがそこで果たしたい役割について述べてください。
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A.
私が貴社を志望する理由は【政策提言を通じて、宇宙開発分野を始めとする科学技術に関する課題に挑んでみたい】からです。 私は研究室で惑星科学を専攻しており、自分の立てた理論モデルが正しいかどうかを観測面から確かめるために、探査機の取得した磁場データの解析を行ってきました。研究を進める中で、また研究室のメンバーとの議論を通じて、データ管理体制整備の遅れ・主に予算不足のために、高い技術力を科学的成果に十分結びつけられないといった、宇宙開発分野において日本が抱える課題を痛感させられることが多々ありました。こういった課題の解決には、国・企業・研究機関のさらなる協力と相互理解が不可欠だと思われますが、それは3者のハブとして働くシンクタンクの存在を抜きにして実現できるものではありません。 そのなかで貴社を志望する理由は、3点あります。1点目は、貴社が官公庁の顧客が多く、国の政策や制度作りという極めて重要な意思決定に関わることができる点です。2点目は、科学技術に関する多様な分野においてそれぞれ高い専門性を持った研究員の方々が在籍しておられる点です。様々な問題が複雑に絡み合った科学的課題の解決に最適なソリューションを提案するには最高の環境だと言えます。3点目は貴社が自分自身を成長させてくれる場所である点です。コンサルタントとしてお客様の前に立つには、深い専門性・問題を俯瞰して幅広い視野で分析する能力・そして自分の考えをお客様と共有するために相互理解を深めるコミュニケーション力を同時に求められると考えられ、難しくも挑戦しがいのある仕事だと感じました。 私は入社後取り組みたいテーマは【ビジネスの場としての宇宙と科学的研究対象としての宇宙の架橋】です。宇宙産業の市場が活性化し、国が注力すべき事業分野だと判断してもらうことが出来ればより挑戦的なプロジェクトを推進することができ、学問的に優れた研究成果が挙げられ、それによって社会の関心が高まり結果として宇宙産業がさらに活性化する、といった好循環を生み出すことが出来れば理想的です。このサイクルを駆動するために解決しなければならない課題を見定め、それぞれに対して具体的な解決策を提示することは今の私には出来ませんが、これまで惑星科学の研究を通じて培ってきた、複雑な系から様々な情報を引き出し現象の理解を深めてゆく能力をさらに鍛えて課題と向き合い、現場での経験を重ねながら、理想の実現に向けて努力し続けたいと考えております。 続きを読む
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Q.
大学や大学院における専門分野(研究テーマ)、または最も力を入れて勉強したことについて、次の観点を織り込んで述べてください。 1、具体的内容(解り易く簡潔に) 2、そのテーマを選択した背景・目的 3、独自性、自分なりの視点や工夫したこと 4、その成果が社会にどのように還元できそうか
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A.
私の研究テーマは【惑星内部電磁気学】です。惑星内部電磁気学とは、電磁気学を用いて地球を始めとする太陽系の惑星の姿を捉え直そうとする学問であり、1.探査機による磁場観測から天体の電気的構造を知ること、2.固有の磁場を持つ惑星においてどのように磁場が生成・維持されているかを知ること、3.惑星の磁場と太陽の相互作用によって引き起こされる物理現象への理解を深めること、これら3つを主要な目的としています。その中でも私は特に水星磁場について研究しており、電磁誘導現象を引き起こす水星外部磁場の変動周期特性を明らかにし、その成果について16年度の地球電磁気・惑星圏学会で発表させて頂きました。 このテーマを選択した背景として、地磁気は地上の生物だけでなく現代社会に欠かせない人工衛星群をも有害な宇宙線から保護してくれているが、地磁気逆転のメカニズムなど未解明の点が多く、今後の宇宙開発にとっても地磁気のより深い理解は不可欠だということがあります。また、では何故地球ではなく水星の磁場に着目したのかといいますと、例えば日本という国について知るために、外国の文化や政治について調査することが有効であることと同様、地球型惑星に分類される中で、地球以外で唯一磁場をもつ水星の磁場がどういった要因でどのように地球と異なっているかを知れば、地磁気の本質の理解の一助になると考えたからです。 今回の研究では、NASAの打ち上げた衛星の観測データを利用させて頂いており、ここで問題になるのが、当然のことながらデータを公開する前に初期解析は全て探査機を打ち上げた機関が済ませて論文にしてしまっているということです。そのため新規性のある研究方針を打ち出すことは難しく、実際私は研究を始めて数カ月ひたすら文献をあたって何が明らかになり、どこからが、なぜ未解明なのかを調べ、まだ十分に解析されていないが物理的に重要なトピックを探し続けました。そして、先行研究における外部磁場変動周期の仮定の甘さを発見し、天体磁場と太陽風がバランスする点をトレーサーにすればそれについて有益な情報が得られることに気づきました。研究の到達点が見えない期間は非常に辛いものでしたが、学会で結果を発表し、多くの方々から激励を頂いた時には大きな達成感を得ることができました。 このような研究活動を通じて、私は問題意識を持って複雑な現象を捉える眼、データの質を見極め解析する能力、結果を吟味する能力を養うことができました。今後は多数の要因が複雑に絡み合った現実の諸問題と向き合う際にこの力を十全に活用し、社会に貢献できると考えております。 続きを読む
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Q.
学業以外に力を入れたこと(スポーツ、趣味、ボランティア活動等)について、次の観点を織り込んで述べてください。 1、具体的内容 2、取り組んだ背景・目的 3、あなたの役割 4、活動全体の成果(成功/失敗したこと、得られたこと)
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A.
私が学業以外で最も力を入れたことは【音楽を通じて異国の文化に親しむこと】です。 私はピアノを大学から始めたので、最初の数カ月は上級者の先輩方に基礎的な運指の練習法や取り組むべき練習曲等についてアドバイスを受けながらひたすら反復練習を繰り返す日々でした。その中で、何か自分にもサークルに貢献できないかと考えたところ、メンバー達は演奏力があるものの、クラシック音楽の文化的側面にあまり注意を払っておらず、取り上げる曲も一部の作曲家に集中していることに気づきました。そこで、楽曲成立の文化的背景の調査や、マイナーレパートリーの開拓に力を入れ、そこで得られた知見をサークル内で共有できればと考えました。 音楽の歴史を辿ることは作曲家がどのように個性を確立してきたか、また音楽家と社会がどのように関わってきたかを知ることに繋がります。前者の例だと、19世紀末から20世紀初頭にかけてワーグナーやマーラーが高度に複雑化させた和声の語法をふまえて、バルトークやストラヴィンスキーが民謡等の土俗的な音楽を取り入れることで活力ある楽曲を作り、シェーンベルクらが全ての音を均等に扱うことで調性の枠組みにとらわれない作曲法を確立する一方、古典音学への回帰を志向する作曲家も現れるといった作曲技法の進化の流れがあります。こうした、作曲家たちの自己の個性追求の歴史を、楽譜や文献を通じて追体験できたことは大変有意義な経験となりました。後者の例ではナチスドイツがワーグナーをプロパガンダ音楽として用いる一方、ユダヤ人作曲家の楽曲や前衛的な作品、ジャズを取り入れた作品等を退廃音楽として弾圧しただけでなく、何人もの作曲家を収容所送りにした、といったことがあります。これらを知ることで音楽を通じて第二次世界大戦を見直すことが出来ました。 音楽史を学ぶことで得た知識や感動を積極的に発信し続けた結果、それまで個人練習に終始しがちであったサークル内に、お互いの練習中の曲について関心を持ち合い、会話する風潮が徐々に生まれるようになり、最終的にはメンバー同士でレクチャーコンサートに出かける、演奏機会に恵まれない楽曲をコンサートで特集する、といった音楽文化を通じた交流が盛んになりました。演奏者として私は初心者でしたが、演奏に特化していない人間ならではの視点を持つことで新しい価値観を導入し、サークルに貢献できたと考えております。現在でも、自身の演奏技術の向上と文化的教養の深化を計りながら、サークル内のコミュニケーションの活性化に努めています。 続きを読む