18卒 本選考ES
研究職
18卒 | 東京工業大学大学院 | 男性
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Q.
当社を志望する理由を述べてください。あわせて、上記の希望部門やご自身の興味・関心を踏まえて、入社後に取り組んでみたいテーマと合わせてあなたがそこで果たしたい役割について述べなさい。(900~1100)
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A.
私は将来、福島の復興や原子力の安全研究といった課題の解決に努め、より良い未来社会の実現に貢献したいと考えています。福島第一原子力発電所事故によって、「原子力安全」の概念は打ち崩され、原子力利用への信頼は失墜しました。しかし、今後も原子力発電を利用していくことから、福島の復興及び「原子力安全」の再構築を迅速に行い、失ってしまった原子力利用への信頼を取り戻すことが必要であると考えています。私が貴社を志望する理由は、課題の解決に必要な次の2つのことを身に付け、原子力利用への信頼回復に努め、安全・安心に暮らせる社会の実現に貢献したいからです。 1つ目は、原子力に関する幅広い専門知識です。私は、福島の復興には廃止措置の早期完了、また今後の原子力利用には福島第一原子力発電所事故を教訓とした更なる安全性の向上が課題だと考えています。これらの課題は複雑であるため、原子力の幅広い専門知識を用いて、取り組むことが必要です。私は、除染計画支援や放射性廃棄物処理、確率論的リスク評価の整備支援などの様々な課題に対して、調査・検討を行っている原子力安全事業本部にて、業務を通して、必要な知識を身に付けたいと考えています。 2つ目は、課題解決の実行段階まで考え実践的な知識・経験を蓄積できる「ACT」の力です。私は、貴社のインターンシップに参加した際、実習の目的である「地層処分の安全性向上のための優先的に検討すべき事項の特定」を達成することを目標としました。目標は達成できたものの、調査結果から検討すべき事項が複数あり、円滑な課題解決のためには優先順位を付ける必要がありました。私は、早期解決に導くべき課題を的確に捉え、優先順位付けができるようになるために「ACT」の力を身に付けたいと考えています。 また、私は大学のオープンキャンパスや学園祭の展示企画で一般の方に対して、原子力の基礎について説明する機会が多くありました。その中で私は、一般の方と原子力の専門家の間で、原子力へのリスク認知にズレが存在することを感じ、このズレが原子力の社会的受容の問題に今後も影響し続けると考えています。そして私は、この社会的受容の問題が存在したままでは、原子力を利用した安心・安全に暮らせる社会の実現は難しいと考えています。したがって、入社後は上記で挙げた知識と能力を身に付け、課題の解決に努めるとともに、シンクタンクの公平な立場からのサポートにより、一般の方と専門家の相互理解を形成する役割にも注力し、社会的受容の問題にも取り組んでいきたいです。 続きを読む
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Q.
大学や大学院における専門分野(研究テーマ)、または最も力を入れて勉強したことについて、次の観点を織り込んで述べてください。 1.具体的内容(解り易く簡潔に)2.そのテーマを選択した背景・目的 3.独自性・自分なりの視点や工夫したこと 4.その成果が社会にどのように還元できそうか(900~1100)
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A.
私の研究テーマは、「原子炉の安全性向上が期待できる事故耐性燃料を用いた軽水炉の設計研究」です。 福島第一原子力発電所事故を受けて、軽水炉の更なる安全性向上のための研究開発が世界中で進められています。その中で、私は燃料自体の物性により、原子炉の安全性向上が期待できる事故耐性燃料に着目しました。 今まで検討されてきた事故耐性燃料は、安全性向上のために使用されている材料自体に中性子が吸収されてしまい、中性子経済性が悪くなるという欠点があり、従来の軽水炉と同等の出力を得るには燃料の高濃縮化が必要になります。しかし、燃料の高濃縮化は、核セキュリティ上好ましくなく、また燃料の製造コストもかかります。そこで私は、燃料の濃縮度を変えることなく、安全性を向上させ、かつ核物質の核兵器転用を防ぐ核拡散抵抗性も有するケイ素が添加されたウラン燃料に着目しました。 この研究ではシミュレーション結果から、中性子経済性、安全性、核拡散抵抗性の観点で定量的に評価し、従来の軽水炉との比較により、ケイ素ウラン燃料を用いた軽水炉の成立性を検討しています。この検討には、4年以上にわたり、学んできた原子力に関する知識を活用し、シミュレーション結果に対して様々なアプローチから、広く深く考察するように努めています。 また、私は自身の修士研究に対し、更に独自性を追及するため2016年11月末から3ヶ月間、研究留学を行いました。私は、留学先で、燃料被覆管の表面に高耐食性の特徴を持つハフニウムをコーティングし、燃料被覆管の耐腐食性向上による原子炉の安全性向上の研究を実施しました。この経験は、日本で研究しているケイ素ウラン燃料と、留学先で研究したハフニウムコーティング燃料被覆管を組み合わせて、更なる安全性の向上を達成する原子炉という独自性のあるアイデアを練ることができました。 この研究の最大のメリットは、今後再稼働する既存の原子力発電所に使用できる可能性が高いということです。日本は、運転期間の制限とされる40年に達する原子力発電所が増加する傾向にあるため、経年劣化対策が重要視されており、再び過酷事象が発生した際の安全性の担保に課題が挙げられます。したがって、この事故耐性燃料の使用により、原子力発電所の更なる安全性の向上を実現できると考えています。 続きを読む
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Q.
学業以外に力を入れたこと(スポーツ、趣味、ボランティア活動等)について、次の観点を織り込んで述べてください。 (900~1100)
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A.
私が学業以外に力を入れたことは、課外活動です。私は学部時代の3年間、学園祭実行委員会に所属し、学園祭最終日に行われる花形企画であり、1000人近くの観客が参加する抽選会企画の運営に携わりました。 学部1年の時は、先輩が主体的に活動するため、私は学園祭運営のノウハウを学びながら、次年度の抽選会への課題の洗い出しに努めました。過去の学園祭来場者アンケートに書かれていた問題点や観客として参加していた同級生の意見を基に、企画の単調化が課題のひとつではないかと考えました。学園祭終了後には、先輩と共に抽選会企画の反省会を行い、次年度に引き継ぐべき事項をしっかりと共有しました。 そして、主体的に活動する学部2年の時は、まず始めに前年度の課題を基に、抽選会の企画内容を徹底的に見直しました。その際に、他キャンパスの実行委員会の方に意見を求めに行ったところ、「抽選会は盛り上がりに欠ける傾向がある」という意見をもらい、私は企画の単調化による間延びや、多くの方に楽しんでもらえる企画になっていないことが原因だと考えました。私はこの問題を解決するため、当選者にゲームをしてもらい、その結果で獲得できる景品が変わる観客参加型イベントの追加や景品数を前年度の倍の40個にし、より魅力的な企画を考案・実行しました。予算は前年度と変わらないため、企業からの協賛品を上手く活用し、景品の質を落とさないことにも気をつけました。本番では、当選を待つ観客もゲーム挑戦者を見て一緒に盛り上がり、会場に一体感が生まれ、来場者アンケートでも多くの方から高評価をいただくことができました。 学部3年の時は、後輩の指導に力を注ぎ、より良い企画ができるようにサポートしました。私は自身の経験から、学園祭の運営に携わっている他団体のメンバーとの意見交換がより良い企画の考案につながると考え、それまで他団体のメンバーと年2回しか行わなかった会議を定期的に行うように提案し、後輩とともに参加しました。他団体のメンバーとの数多くの意見交換は、広い視野で物事を捉える能力を身に付けることにつながり、次年度は、新しい音響機器を導入や、スポットライトの利用を工夫といったアイデアを思いつくことができました。その結果、後輩が考案・実行した抽選会は、前年度より盛り上がり、来場者アンケートで学園祭No.1企画に選ばれることができました。 以上の経験から、問題を正確に認識して課題を明確化する「課題発見力」、課題を解決するという目的のために積極的に行動する「行動力」、そして実際の成果につなげる「課題解決力」を身に付けることができました。 続きを読む