22卒 本選考ES
技術職
22卒 | 中京大学大学院 | 男性
-
Q.
あなたの研究内容、もしくは勉強してきた内容を、自らが実際に行った役割を交えて、詳しく教えてください。併せて、それをソフトバンクのエンジニアとしてどう役立てたいか、教えてください。
-
A.
痛みは人間にとって危険を知らせる重要な生態信号の一つですが,痛みを人間と機械のインターフェースとして用いる研究例は少ないです.私の研究では,安全な疑似的な痛みを用いて新しいインターフェースを開発しています.本研究では、皮膚への温度刺激によるサーマグリル錯覚を利用し疑似的な痛覚の生成をすることで,人間とロボットの新しいインタラクションを行うことができます.サーマルグリル錯覚とは,温刺激と冷刺激を同時に皮膚に与えると冷刺激部分に痛覚が生じたと錯覚させる心理・生体現象となっています. この研究を使って例えば,遠隔にあるロボットが危険な状況に遭遇する場合,それを痛みとして人間に伝えます.人は痛みを感じることで危機を察知し,回避する習性をもちます.その習性を生かし,実際には遠隔地にあるロボットの危機を自身へ痛みとして感じることで,ロボットがあたかも人間の拡張された体の一部となります.またこの拡張は物理空間に限る必要はなく,サイバースペースで実装することも容易にできます.研究は私自身がプログラミングや回路設計・規格・デザインとすべての役割を担っており,ソフトウェア・ハードウェアともに構築しました.本研究によって例えば目の不自由な方にロボットとともに行動しながら,ロボットが感じた実空間上での危機を痛みとして伝える盲導犬の代わりとなるようなシステムへの応用や,物理空間だけでなくサイバースペースでも使えるためVR等へ応用することでより刺激を与えられ臨場感を生み出すことができます. 研究活動を通し,未開拓分野に対し挑戦し,自身の力で模索して解決する力をつけることができました.その強みを活かして,G検定を取得しました.G検定とは,日本ディープラーニング協会が定めているAIを事業活用するための知識が問われる民間の資格です.私自身現時点ではAIをテーマとする研究をしていませんが,所属研究室のテーマがAIであり,その知見を得るための解決策としてこの資格の取得に至りました.こうしたことを踏まえ,私は問題の論理的な解決法を考える上で,様々な解決パターンに対しトライ&エラーをして行動をしていけるエンジニアとして役立てたいです.その中でも研究のテーマを生かし,貴社のIoT分野で役立ちたいと考えています.IoT分野では家電やロボットと人間を結び,感覚的に機械の状況を把握することができるようなインターフェースの提案を行いたいです. 続きを読む
-
Q.
自ら手を動かしてつくった成果物※があれば、何をつくったのかを、自らが実際に行った役割も交えて、詳しく教えてください。(200字~)※ディープラーニングを用いたチャットボット・音声認識・画像認識プログラム、機械・ロボ・電子機器、NW環境、アプリ、サーバーなど実際に作成したものであれば、何でも結構です。
-
A.
研究活動にて温度刺激によって疑似的な痛覚を生成する触覚インターフェースを,ペルチェ素子を用いて一人で開発しました.ペルチェ素子とは電流を流すことで一方の面では発熱,もう片方の面では吸熱を行う板状の半導体素子です.本インターフェースではこの素子からの温刺激と冷刺激を交互に皮膚に提示することで,サーマルグリル錯覚を生起し人間に疑似的な痛みを与えることができます.下記リンク先の論文には実際に開発した設置型の痛覚提示のインターフェースが記載されています.これはペルチェ素子からの発熱と吸熱をヒートシンクに伝える装置となっており,そこに指を載せることで痛みを与えます. 現在はこの装置から改良を行い,モバイルバッテリーで駆動することができるようにし,人の腕に装着して痛みを提示するインターフェースとなっています.改良前のように装置が設置型でないため使用者は設置された場所にとどまる必要もありません.加えて使用者は指を置く必要なく手が自由になるため,例えば視認できない遠隔でのロボット操作をする際に,コントローラーを持ちながらロボットの危機に応じて腕に痛みを誘発することで,ロボットを体の延長として捉えることができます.また,モバイルバッテリーのような小さな電気で駆動可能であるため,自動車に組み込むことにより人間は自動車をも体の一部として扱えるシステムへと応用できると考えています. 同じく研究活動では衝突回避を行うロボットも製作しました.ロボット自体は既製品を扱っておりますが,ロボットの行動のプログラム,回路設計,デザインは一人で構築しています.このロボットは障害物をマイクロスイッチのオンオフにより識別を行い,その空間情報を先ほどの触覚インターフェースと無線通信することによって痛みとして伝えるような,人間とロボットのインタラクションが実装できる環境を構築しました. また,現在のコロナ禍において感染推移等の情報の信頼性を確かめるべく,感染症の古典数理モデルであるSIRモデルを用いて日本における新型コロナウイルスの再生産数の算出を行いました. 再生産数とは1人の感染者が何人に伝染させたかを示す指標であり,これにより短期間での感染の広がりを予測するプログラムを構築しました. 続きを読む