22卒 本選考ES
研究職
22卒 | 金沢大学大学院 | 男性
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Q.
現在行っている卒業(学位)研究の内容について、説明して下さい。(卒業研究未定の人は、主として勉強した分野について説明して下さい。)テーマ等
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A.
蓋の開閉によるゲスト分子の出入りの制御を目指したカゴ型分子の開発 続きを読む
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Q.
具体的な内容
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A.
身近な瓶やペットボトルなどの容器は蓋で内容物を閉じ込め、必要な時に蓋を開けて取り出します。分子の世界でも「取り込み」が可能な容器は開発され、金属イオンなど内容物が小さければ「取り込み」「取り出し」両方の制御も可能です。しかし一般的に金属イオンより大きい有機分子では両方の制御には至っていません。そこで自在かつ簡便な蓋の開閉で目的の有機分子の「取り込み」「取り出し」両方を制御できる新たな機能性有機分子の構築が目標です。私は蓋が「ない容器」と「ある容器」の新規カゴ型分子容器を合成しました。また、内容物として有機分子の4つの四級ジアンモニウム種を選定、合成し、それらを蓋がないカゴ型分子容器に加えることにより「取り込み」の成功を確認しました。次は内容物を入れた分子容器に蓋をして内容物を閉じ込めることを目標にしています。この研究は将来的に体内の薬物輸送や環境中の有害物質の除去等の技術を発展させるものです。 続きを読む
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Q.
志望動機
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A.
私は機能性有機分子の研究を行っており、有機合成で新しい化合物を作りだすことにやりがいを感じています。私が化学を志したのは価値のあるものを作り出し社会に貢献したいという夢があったからです。私達の世代は東日本大震災を目の当たりにし、数々の災害が伝えられる中で無力さを痛感し育ちました。その中、高校で有機化学に出会い、0を1とすることもでき、世界を切り開くことさえできる化学の力に憧れ、その力で社会に貢献したいと考えました。そういう思いで必要度、貢献度の高い製薬会社での研究職に高い使命感を感じています。中でも貴社は医療用医薬品から一般用医薬品、医薬部外品までを開発から販売まで行っておられ、高度化する医療ニーズに対応されております。また創薬研究においては実験系の確立から人での臨床試験までの一連のプロセスを、大学や外部研究機関との共同研究をベースに多角的な視点から行っている点が貴社の強みで魅かれています。貴社でなら新しい薬づくりを有機化学の力を使って、人々のQOLに貢献できると考え強く志望いたします。 続きを読む
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Q.
あなたの『取扱説明書』をわかりやすく ご記入ください。(写真、図、表等を利用して記載可)
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A.
強み:チャレンジ精神と目標に向かって努力を継続する力 私は応用化学科に進学しましたが、化学の基礎研究への思いが芽生え編入を決意しました。情報を収集し、自身の課題を大学の専門的な知識不足と分析し、大学の授業が何よりの対策との結論に至りました。予習復習を徹底し、最前列で受講して最大限の吸収に努め、その上で積極的に質問に行きました。どの先生も熱心にご教示いただき、回答に留まらず、なぜそれが重要か、将来性など深くお話下さり、化学への探求心の広がりやモチベーションの向上に繋がりました。並行してタイムスケジュールを組み1年間、朝7時半に登校し、図書館閉館の夜10時まで問題集や過去問踏破に取り組みました。その結果、編入試験に合格し、さらに在籍校で学部生114人中2人しか選ばれない成績優秀者に選出されました。周りとは全く別の目標に自ら行動して課題を分析し、努力を継続することで周囲の協力を得ながら、目的遂行能力が身につきました。 短所:予定を詰め込みすぎる所 やりたいことばかりで、もっと時間が欲しいと思う毎日です。帰省時には友人や祖父母、恩師、と目一杯予定を入れ、家族に「見ているだけで目が回る!」と言われます。私自身はとても充実して楽しいものです。 大切にしていること:様々な人が交わることで生まれるパワーを大きく感じつながりを大切にしています。 私は高校の同級生26人で様々なスポーツを楽しむ会のリーダーをやっています。受験の時も一日めいっぱい楽しむことで力が湧きました。卒業後は個々に状況が異なり調整に苦労しますが、連絡を取る中で元気のない人の参加を心がけています。大学では30人のうち半数が留学生のフットサルサークルに所属し、その中でインド人留学生とのコミュニケーションは独特の英語訛りから初めは聞き取ることができませんでした。聞き取れないときはそれを伝え、ジェスチャーを交えながらコミュニケーションを図りました。また、懇親会の幹事では互いの慣習で悪気のない誤解が生まれないよう、宗教的な食事の制限も互いに確認し、理解しあうことで楽しく交われることを実感しました。現在、毎日行っているディスカッションでも様々なバックグラウンドの人がいることで視点の違う意見を得られることも感じています。多様性の受容が必要視されますが、私は受容以上に積極的に交わるべき力があると感じています。 続きを読む
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Q.
その他アピールしたい点(趣味・特技・サークル活動など)があればご自由にどうぞ。
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A.
私は研究に何より本気で取り組んでいます。反応点が3つのトリアルデヒド体にジアミノ体という物質を反応させ新規かご型分子の合成を行いました。新規分子の生成自体は確認しましたが、不純物が生成され混在する課題に直面しました。精製を試みたものの依然として不純物を取り除くことはできませんでした。そこで私は反応物質のトリアルデヒド体に焦点を戻し、「不純物として反応点の数が異なるジアルデヒド体やモノアルデヒド体が存在し、それらがトリアルデヒド体に対して連鎖的に反応を起こして不純物として存在している」という仮説を立てました。トリアルデヒド体の純度を高くする必要を感じた私はGPCや再結晶という精製方法を駆使し、高純度のトリアルデヒド体を得て、それを用いることで不純物のないかご型分子の合成に成功しました。この成果で研究室の代表として国際学会2件を含む8件の学会に参加し、日本化学会北陸地区講演会の学生発表では300人中15名の優秀ポスター賞に選出されました。この経験から精製の重要性と化学者としては時には一戻りして全体を見渡す大切さを実感しました。 続きを読む