【サイバーセキュリティの挑戦】【18卒】トレンドマイクロの冬インターン体験記（理系/技術営業職）No.2024（山梨大学大学院/男性）（2018/2/7公開）

「技術で社会を守る会社」に入りたいと就活を始める前から考えていた。
大まかに分けて、「サイバーセキュリティ企業」と「防衛装備を製造する企業」の二つの選択肢があると就活が始まる前から考えていた。
防衛装備関連の企業のインターンには参加した経験があったものの、サイバーセキュリティ関連のインターンには参加した経験が無かった。
どちらの業種が自分に向いているのか分からなかった為、判断材料を作るべくトレンドマイクロのインターンに参加してみようと考えた。
トレンドマイクロにした理由は、競合他社よりも早くインターン開催の掲示を出していた事と、サイバーセキュリティの大手であるため、安定した企業である印象があったから。

選考はESの提出で行われた。
インターンシップに参加する以前に、大学の講義やセキュリティミニキャンプで情報セキュリティについて勉強する機会があった。
それら機会で情報セキュリティの基礎知識を最低限固めておいた事が、インターンESを書く上で役に立ったと思う。（技術的にあまりに見当違いの事を書かずに済んだ）
また、トレンドマイクロは文理を問わずインターン生を募集していた。
自分の専門知識やサークルの経験を、専門外の人に分かるよう抽象化してESに書くよう心掛けた。

「ハッカー集団による日本の公官庁へのサイバー攻撃を検知・阻止する」という想定で、 文理混同の学生チームで対応策を協議し、官僚（役の社員）に対して技術営業する課題

1日目にやったこと

・学生の自己紹介、3日間共同で作業する学生チームの振り分け
・企業概要の説明、求める人材像の説明
・３日間のインターンの予定の説明
・インターン３日間の課題内容の発表、「客先へのサイバー攻撃を阻止せよ！」という題目
・サイバーセキュリティ／客先営業についての講義を受ける
　講師は、第一線で働いているベテラン技術系社員や外部のコンサルタント企業の社員
・課題であるサイバー攻撃に関する資料が配布される。チーム内で資料を検討し、
　サイバー攻撃の手段や防ぐ手立てを決定する
・客先に一度目の技術営業を行うための資料を作成する
　資料はパワーポイントのスライド、２０分ほどの発表時間を想定

2日目にやったこと

・客先に一度目の技術営業を行う、ただし一度目の営業では必ず提案を却下される
　（「状況が変わったから、あなたの提案は使えない」と言われる）
　客先の状況の変化を踏まえて提案を練り直すべく、学生チーム内で協議する
・技術的な困難、疑問点をトレンドマイクロ社の若手技術者に質問しに行く機会もあった
・最終的な客先への提案内容を決定する。また、二度目の技術営業のための資料も作成する
　資料はパワーポイントのスライド、２０分ほどの発表時間を想定

3日目にやったこと

・二度目の技術営業を客先で行う
　技術営業の内容に従い、学生チームに順位が割り振られる
　各チームの良かった点、悪かった点の評価を社員から受ける
・一位となったチームは表彰され商品が送られる
　また、３日間の活動を通じて、最も活躍していた学生も同じく表彰と商品が送られる
　（インターン終了後、表彰されたチーム／学生は人事部の部長に入社を口説かれていた）

人事部の部長

ウイルスバスター製品版

講師の社員の「サイバーセキュリティ的に正解でも、客にとっては絶対に受け入れられない提案がある」というコメントのフィードバックが印象に残った
（例えば、「ウイルスを駆除するために全てのパソコンを止める」の様な提案は受け入れられないなど）
何かサービスを客に提案する場合は、客の業務内容を理解したうえで容易に受け入れられる内容に調整する必要があると強く感じた

とにかく時間が足りなかった。
客先への提出資料作りと、サイバー攻撃の解析や対応策の構築を同時に行った為、
いかに効率的に作業を進めるか常に気を配っていた
残業や仕事の持ち帰りまで経験することが出来、ある意味でリアルな職業体験だったとは思う

文理混合でチームを組み、限られた時間の中でソリューションを組み立てる経験から、
「異なるバックグラウンドを持つ人間同士で働くにはどうしたらよいか？」「客が本当に求めることを、どうやって見極める？」といった、トレンドマイクロ以外の企業でも使えるスキルが多少なりとも身に付いたと感じた
ただ単に情報セキュリティを勉強するのではなく、人間として成長できる３日間だったと思う

アルバイト等で無理難題を言う客に応対する経験をしていれば良かったと思う
罵詈雑言だらけの客の要求から、うまく要点をくみ取れる経験を積んでいた居酒屋バイトの学生が羨ましいと感じた
また、情報セキュリティについてももう少し深く勉強していた方が与えられた課題をこなす上で間違いを少なくする事ができたと思う

18卒は技術営業の募集枠しか無く、製品の開発職に就く方法が用意されていなかった事をインターンシップに参加して初めて知った
インターンの内容も優秀な技術営業の採用を狙った物であり、開発職としての入社を考えていた私としては、志望と実態があまりマッチしていなかった
いくら情報セキュリティに関われるとはいえ、営業職にしか成れないのであれば他の企業に行きたいと考えた

採用する人数が少なく、インターンに参加している学生が全員受験しただけでも倍率が高いと感じた
また、インターン終了後に人事部が最優秀学生チームとなった学生に非常に強く入社を促していたため、表彰された学生が実質の採用候補であると強く感じた
インターンで良い成績を収めない限りは内定が非常に難しいと感じた

志望度が下がった理由として、入社後に就く職種の問題がある
志望する開発職に就けないことがインターン中に社員に聞いて明らかになった
インターンを通じて技術営業に取り組んでみたものの、どうしても営業職に対するモチベーションが上がらなかった
あまり自分に向いている職種ではないと感じた為、志望度の低下に繋がった

インターン参加者は、本選考の面接・筆記試験以前に執り行われるグループディスカッションが免除された
インターンを通じて業務内容を一通り理解している事も面接では役に立ったと思う

情報セキュリティ、または防衛装備の製造にかかわる企業を強く志望していた
情報セキュリティではトレンドマイクロやマカフィー、株式会社ラックなどBtoB、BtoC分け隔てなく選んでいた
防衛装備系の企業では、以前にインターンに参加した経験のある三菱重工や三菱電機、NECなどを考えていた
福利厚生などは特に重視はしていなかったものの、社会的に影響の大きい仕事であるため大企業中心の志望企業群だった
そのため、滑り止めとして地元の零細SIerも何社からインターン参加以前から検討していた

トレンドマイクロは第一志望群の企業から外したものの、とりあえずはその後の選考を受けることとした（GD免除は勿体ないので、他の企業の練習として受験）
インターンを通じ、サイバーセキュリティ系の企業よりも防衛装備系の企業の方が
業務内容や企業の雰囲気が合っている事と思うようになったため、
三菱重工、三菱電機、NECなどを第一志望群に据え置いて就活を進めた