16卒 本選考ES
技術職
16卒 | 慶應義塾大学大学院 | 男性
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Q.
学業、ゼミ、研究室などで取り組んだ内容
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A.
機能性無機材料である酸化亜鉛の微細構造を制御し,色素増感太陽電池の電極材料へ応用する研究を行っています。私の研究では,溶液中で前駆体を合成し,熱処理を施すことで前駆体由来の形態をもつ酸化亜鉛を合成する「自己テンプレート法」に着目しました。前駆体には金属有機構造体(MOF)を使用します。MOFは金属イオンと有機配位子からなる化合物で,これらの組み合わせや合成条件により多様な形態をとることが知られています。MOFの形態を制御することで酸化亜鉛の形態を制御し,デバイスの性能向上を目指しています。 続きを読む
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Q.
自己PR
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A.
私の長所は「どんな苦難にも負けない精神力」です。大学3年の時,100名規模のテニスサークルの役員を務めていました.50年以上続く伝統あるサークルで,「弱音を吐かない」「声出し・ダッシュは全力でやる」など役員には厳しい掟が課されていました。実験がある日以外は練習に参加し,夏休みも部内戦や合宿で炎天下の中,終日走りっぱなしで,精神的にも体力的にも辛いこともありました。しかし,同期の役員と協力し合い,めげずに根気強く取り組むうちに自然と自分の限界以上のことができるようになり,1年間やり通すことができました。この精神は研究においても役立っており,実験がうまくいかず困難に直面した時も,根気強く取り組むことで結果を出すことができました。 続きを読む
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Q.
学生時代に最も打ち込んだこと
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A.
私は学生時代,研究に最も力を注いできました。私は産業技術総合研究所の研究員と共同研究をしていました。思うような成果が出ないことも多々ありましたが,そんなときは一人で考え込まずに先輩や教授,共同研究者など自分よりもその分野に詳しい方々にアドバイスを求め,ディスカッションを繰り返しながら課題を解決していきました。その時,相手の意見を積極的に取り入れつつも,「自分はどうしたいか」をしっかり述べ,相手の言いなりにならないように心がけていました。時には共同研究者と意見が合わず苦労することもありましたが,人と協力して研究を進めていくことの面白さややりがいを感じることもできました。その努力が実を結び,国内学会だけでなく国際学会でも自分の研究成果を発表することができました。 続きを読む
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Q.
ご自分の研究内容または興味のある技術分野について、専門外の人(技術的素養はあるものとする)に説明することを念頭に、その内容をまとめてください。
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A.
私は,無機構造科学研究室の藤原忍教授の指導の下,「金属-有機構造体(MOF)を前駆体としたZnO膜の微細構造制御と色素増感太陽電池への応用」という研究を行っています。色素増感太陽電池(DSSC)とは,ZnOなどの酸化物半導体や色素,電解液から構成される太陽電池で,塗布・焼成など簡易なプロセスで作製できる,色素を用いているためデザイン性に優れるなどの特長があります。その電池性能は酸化物半導体のnm 〜μmの領域における微細構造を制御することで大きく向上する場合があるため,この微細構造を制御する方法が盛んに研究されています。私たちの研究グループでは,溶液中で前駆体を合成し,金属酸化物に変換する方法を採用しており,前駆体の新たな候補として金属-有機構造体(Metal-Organic Framework :MOF)に着目しました。MOFとは金属イオンと複数の配位部位をもつ有機配位子が結合し,周期的構造を形成した結晶性の化合物であり,金属イオンと有機配位子の組み合わせや反応条件を変化させることで多様な構造をとることが知られています。そのため,MOFを前駆体とすることでMOFの特異的な形態をもつ金属酸化物を合成することができます。私の研究では,亜鉛系MOFの代表例であるZIF-8 という物質を前駆体として用い,ZIF-8由来の形態をもつZnOを合成して色素増感太陽電池の電極へ応用することを目的としています。 続きを読む