
23卒 本選考ES
研究開発職
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Q.
研究概要(300文字)
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A.
がん細胞に対し高い細胞毒性を示す二量体型天然物である--------の合成研究を行った。先行研究では、当研究室で開発した二量化反応を用いて序盤に二量体骨格を構築したが、その後の酸化にて立体化学が制御できなかった。私は、構造がより単純な単量体であれば天然物と同じ立体化学での合成ができると考え、終盤に二量化する合成戦略を立てた。単量体の合成では、分子設計を工夫し収束的かつ短工程で全炭素骨格の構築に成功した。その後の酸化で目的物が得られなかったが、副生成物から分解機構を推定し適切な保護により単量体前駆体へと導いた。今後は単量体を合成し、二量化して--------の全合成を達成する予定である。 続きを読む
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Q.
研究上の課題とそれに対するご自身の貢献(課題をどのように捉え、行動したのか)について教えてください。(400文字以内)
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A.
私の研究テーマでは、合成終盤にインドールを二量化させる合成戦略を立てており、酸化に弱いインドールを含む中間体に対し、狙った部分のみを酸化する必要があります。合成序盤に様々な酸化剤を検討しましたが、どの条件もインドールが酸化されるばかりで、当初は挫けかけました。諦めずに検討を続けると、唯一-------を使えば目的の部位のみを酸化できることを見出しました。合成を進め、終盤にて同様に-------を試みると、目的物は一切得られませんでした。当初はインドールの酸化を想定し深く失望しましたが、ここでも粘り強さを発揮し、挫けずに条件検討を行いました。そして、僅かに得られた副生成物から生成物の分解を推定しました。そこで推定した分解機構を基に、基質の変更を行うと、期待通り目的物が得られました。以上のように、私は不屈の精神を持って研究上の課題に向き合い、僅かな手がかりを逃さずに見出し、解決に導きました。 続きを読む
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Q.
研究室におけるあなたの役割を教えてください。実務的な役割分担だけではなく、スキルや性格面も踏まえて、あなたと他のメンバーとの関わり方などをお答えください。(400文字以内)
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A.
私は、視野の広さを生かして周囲に気を遣うことができる存在であると考えています。部活動や学校行事で全体を統率した経験から、集団の中で広い視野をもって行動する重要性を学びました。私はこの経験を生かして研究室のメンバーが気持ち良く過ごせる環境づくりを心がけています。具体的には、視野を広く持ち、後輩が実験や資料作りで悩んでいる際には、私から相談に乗るようにしています。また、全員が実験に集中できるように、私自身が使用しない備品や装置にも注意を行き届け、不備がある時には積極的に修理や注文をするようにしています。このような生活を続けた結果として、後輩からは相談を頻繁に受け、先輩からも事前に装置を修理してくれたおかげで実験を止めずに済んだと言ってもらいました。この様な気遣いは行き過ぎるとお節介になり、私の時間も確保できなくなるため、節度を守りながら今後も視野を広く持って過ごしていきたいと考えています。 続きを読む
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Q.
現在の関心事、世の中の出来事や社会動向など特に関心があることと、それに対する考えやポリシーがあれば教えてください。(社会問題、科学技術、経済、スポーツ、エンタメなど)(300文字以内)
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A.
SDGsについて関心があります。私はSDGsの目標の中で飢餓問題が深刻だと捉えています。中学生の時に、国連の食糧支援機関であるWFPの方々から飢餓問題の話を聞き、私に何ができるかを質問しました。そして、食べ残しをなくすことが最も大切であると伺い、それ以降の10年間身の回りで食べ残しを出さずに過ごしました。具体的には、私自身が完食するのはもちろん、家族や友人の余分な食材の購入を止め、食べ残しも代わりに食べました。その結果、食わず嫌いしていた食べ物が好物になり、思わぬところで生活が豊かになりました。個人の活動の貢献量は小さいかも知れませんが、今後もこの生活を続け、飢餓問題に真摯に向き合う予定です。 続きを読む
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Q.
当社を志望した理由(300字以内)
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A.
貴社の研究の姿勢に魅力を感じ、貴社であれば私の夢を実現できると考えたからです。 私の夢は、私自身も成長しながら世界の人々の暮らしを豊かにすることです。貴社では、研究開発を成長の原動力としており、実際に売上高の多くを研究開発費に投資しています。さらに貴社では個人の意見を尊重しており、業務の10パーセントの時間を個人テーマに費やすことができます。また貴社が注力している農薬分野は、世界規模で増加している人口を支える農業のために、今後これまで以上の改良が求められると考えられます。以上から、貴社であれば、世界の人々の生活を豊かにする農薬開発に取り組みながら、私自身も成長ができると考え、貴社を志望しました。 続きを読む
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Q.
【現時点で希望する仕事】知識や技術、強みが活かせると思われる仕事とその理由(300字以内)
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A.
農薬開発における探索研究や初期製造において私の有機合成技術を活かせると考えています。私は、大学および大学院にて天然物の全合成研究を行い、小スケールでの条件検討から、大スケールでの原料合成を経験しました。特に大量合成では、合成経路をいくつも立案し検討した結果、原料を光学活性なアミノ酸から、----や------という不斉点を有さないアミノ酸へと変更してコストを4分の1まで削減し、加えて再結晶が可能であることを見出して150グラムスケールの合成に成功しました。農薬開発においても、デザインした化合物の合成経路立案や、初期製造での大量合成の検討を行う際に私の有機合成技術が活かせると考えています。 続きを読む
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Q.
【将来チャレンジしてみたい仕事】当社を舞台に将来取り組んでみたい仕事、または実現してみたい夢とその理由)(300字以内)
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A.
私自身がデザインした化合物を農薬として上市したいです。その理由として、私が見出した農薬を普及させ、国内外の農家の方々の負担を減らしたいという想いがあります。私の出身地は農業が盛んで、高校の長期休暇に農業のアルバイトをしたことがあります。その中で、高齢の農家の方々が、私でも弱音をあげそうな激務をこなして作物を育てている姿を見て、尊敬の念を抱くと同時に負担を減らしたいと考えました。貴社では、入社1年目の意見も尊重されると伺い、貴社であれば、化合物のデザインや合成経路の立案に若い内から挑戦できると考えました。以上から私は、農家の方々の負担を減らすために、貴社を舞台に農薬の開発研究に挑戦したいです。 続きを読む
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Q.
【本気の経験】これまでの人生で「本気になって取り組んだ」と思う経験とその理由(成果やスケールは問わず、自らが「やりたい」と感じ、「本気」をだせたもの(400字以内)
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A.
現在行っている全合成研究に本気になって取り組んでいます。私の標的化合物は、二量体天然物の中で最も複雑な化合物の一つです。二量体天然物は優れた、あるいは特異な生物活性を持ちますが、その合成法は世界的にも報告が少なく、特に複雑な化合物の二量化は現実的ではないと考えられています。そこで私が複雑な単量体を二量化して天然物を合成できれば世界中の人々を驚かせられると考えています。全合成のために、日夜実験していますが、何度も困難にぶつかり合成経路の変更を強いられました。全合成のために、私は他人より1時間早く登校し、毎日文献から知識を蓄える時間を作りました。前日に激しい運動や疲弊していてもこの習慣を続け、次第にこの習慣は私の自信になりました。そしてついに、初めて教員も感嘆するような合成経路の提案ができました。現在、その合成経路を試していますが、仮に行き詰まっても諦めずに全合成を達成したいと考えています。 続きを読む