
23卒 本選考ES
グローバルスタッフ
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Q.
大学院生の方は、現在取り組んでいる研究の概要を説明してください。600
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A.
現在私は、ケーブル構造の性能的耐火設計法提案に向けた研究を行っています。国内では研究がほとんど進んでおらず、私の研究が設計法提案の初ステップとなります。そのため学部生の時は、ケーブル構造に用いられるワイヤロープ単体の耐火実験データを各種加熱および加熱冷却実験からそろえました。その結果、ワイヤロープは他の鋼材に比べ高温強度低下がかなり激しいことがわかりました。この実験データをまとめた論文を2021年9月頃まで執筆し、11月には「1570MPa級高炭素鋼線を用いたワイヤロープの高温時および加熱冷却後引張強度」というタイトルで日本建築学会構造系論文集に採用されました。 今後はロープと建物接合部の実験データをそろえる予定です。接合部はケーブル構造の重要部分になるので非常に大事な実験となります。接合部には圧縮止め型とソケット止め型などがあります。建築で主に使われるのは前者であり、後者は適用するロープ径がφ60mm以上とかなり大きく学内の施設では耐火実験が難しくなります。そのため今回は圧縮止め型接合部の各種加熱および加熱冷却実験を行います。実験は1月実施予定です。 以上のワイヤロープ単体および接合部のデータを使ってケーブル構造の性能的耐火設計法を提案できれば、耐火被覆を減らすなどコスト削減につなげることができると考えています。 続きを読む
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Q.
上記研究テーマを選択した理由について説明してください。300
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A.
私の研究がスタート地点であり、未開の地を切り開くような感覚にワクワクしたため、このテーマを選択しました。ワイヤロープの高温既往データは500℃までしかなく、これではケーブル構造の性能的耐火設計法を提案できません。そのためには500℃以上の高温データが必要であり、私は800℃までのデータを日本で初めて揃えました。このように今まで誰も知らなかった分野を自らの手で切り開けたことは誇らしく思います。また、性能設計法を提案できれば耐火被覆を減らすといったコスト削減に繋がります。コスト削減は建物設計に重視されるため、将来的に確実に役立つモノを提案できると確信したのもこのテーマを選択した理由の一つです。 続きを読む