22卒 本選考ES
研究開発職
22卒 | 早稲田大学大学院 | 男性
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Q.
研究要旨を、研究の位置づけを含めてわかりやすく記入してください。
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A.
光線力学療法は低侵襲性かつ副作用の少ないがん治療法として組織の表層に位置する早期癌または残存腫瘍の除去に用いられています。しかし、蠕動運動による標的と照射光のずれによる正常組織への熱損傷等を招く危険性があります。一方で生体組織への接着性と追従性に優れるナノシートは、 任意の高分子から成る厚さが数十~数百ナノメートルの薄膜であり生体内に様々な物質を留置するためのインターフェースとして期待されています。研究活動では、肝臓等の深部臓器に対して無線発光が可能な小型光源をナノシートによって長期かつ安定的に固定することで、光線力学療法の欠点を解消し、適用範囲を拡大することを目的としています。加えて、小型光源とナノシートから成るデバイスを埋め込んだ際に生じる異物反応を抑制するシステム(ナノシートへの生体適合性材料の修飾、表面形状の加工、抗炎症薬剤の担持等)を構築することで効果的な埋め込み式光線力学療法の実現を目指します。具体的な現段階の研究成果として、縫合糸や釣り糸に使われる靭性に優れた生分解性プラスチックの一種であるポリカプロラクトン(PCL)を用いて作製したナノシートに生体模倣型接着高分子であるポリドーパミン(PDA)を修飾させたPDA-PCLナノシートを用いることで、小型光源をラット肝表面に1ヶ月間安定的に固定することに成功しています。 続きを読む
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Q.
研究の中で、あなた自身が発揮した独創性やオリジナルティによって課題解決/課題発見したエピソードを教えてください。
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A.
先行研究における、マウス皮下での光源のナノシートによる安定的な固定とは異なり、研究テーマでは臓器表面という皮膚のようなナノシートとデバイスの抑えとなる組織が存在しない状況での固定が目的であったため、ナノシートの接着力に加えて光源を臓器表面に抑えつける必要があり、ナノシート自体の強度が重要であると仮定しました。そこで優れた靭性を有する生分解性プラスチックであるPCLに着目しました。このPCLは縫合糸にも使われ引張強度を有します。実際に紙テープのフレームに担持したPCLナノシートを手に持ってみるとその強度は非常に高く、指で軽く押す程度では破れません。先行研究で使用されたナノシートに比べて非常にタフなナノシートであることに気づきました。実際に肝臓切片に対する接着力を評価したところ、PCLナノシートは自身の柔軟性と靭性に基づき、肝臓切片に対して非常に大きな接着力を有することが確認されました。 続きを読む
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Q.
三井化学において、将来あなたはどんな活躍をしたいですか。キャリアパスのイメージがあれば、それも含めて記入して下さい。
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A.
貴社の研究開発職にて様々な産業や暮らしの発展に貢献できる新規マテリアルの開発、製品化を成し遂げたいです。研究室配属以降、一貫した一つの研究テーマに取り組み、座学を中心とした学部3年までとは異なり、自ら手を動かし、研究計画を組み立て、共同研究者や指導教官とのスケジュール調整を行って実験を行い、結果について考察し、様々なフィードバックを貰い、実験計画、研究の方向性を刷新していくという一連の過程は非常に刺激的な体験です。今までの座学中心の学生生活にはない、主体性のある実学が伴っており、とても有意義な時間であると強く感じています。小さいころからぼんやりと日本のリーディングカンパニーで働きたいと思っていましたが、この経験を通して貴社の研究員として多くの人の暮らしに役立つ製品に必要な材料を開発し、最先端の製品の基盤となる研究に対して研究自体のマネジメントや事業としての展開に関わりたいと考えています。 続きを読む