22卒 本選考ES
研究職
22卒 | 金沢大学大学院 | 男性
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Q.
研究要旨を、研究の位置づけを含めてわかりやすく記入してください。※学部生の方は、好きな(得意な)科目およびその理由を記入してください(600文字以内)*
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A.
研究テーマは「蓋の開閉によるゲスト分子の出入りの制御を目指したカゴ型分子の開発」です。身近なペットボトルなどの容器は蓋をして内容物を閉じ込め、必要な時に開けて取り出します。分子の世界でも内容物(ゲスト)の「取り込み」だけ可能な分子は開発されており、また金属イオンなどゲストが小さければ「取り込み」「取り出し」両方の制御も可能です。しかし金属イオンより大きい有機分子では両方の制御には至っていません。そこで自在かつ簡便な蓋の開閉で目的分子の「取り込み」「取り出し」両方を制御できる新たな機能性有機分子の構築が目標です。私は蓋が「ない容器」と「ある容器」の新規カゴ型分子の合成に成功しました。この分子の特徴は有機ゲスト分子を取り込める大きな容量をもっている点とその有機ゲスト分子のプラスの電荷をトラップする部分を2カ所持っている点です。私は実際に分子容器の容量の見積りをし、適した有機分子としてプラスの電荷を二カ所持つ四級ジアンモニウム種の4つの分子を選定しました。それら4つのジアンモニウムを合成し、蓋がないカゴ型分子に加えることにより「取り込み」の成功と、ジアンモニウムが長くなるにつれ取り込みにくくなる傾向が判明しました。次はゲスト分子を入れた分子容器に蓋をし、それを外して取り出す両方の制御を目指します。この研究は将来的に体内の薬物輸送や環境中の有害物質の除去等の技術を発展させるものです。 続きを読む
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Q.
Q25.研究の中で、あなた自身が発揮した独創性やオリジナルティによって課題解決/課題発見したエピソードを教えてください。※学部生の方は、今後どのような研究をしたいかを記入してください(400文字以内)*
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A.
前述の研究で反応点が3つのトリアルデヒド体と2つのジアミノ体という物質を反応させて新規カゴ型分子の合成に取り組みました。カゴ型分子の生成自体は確認できたものの、目的以外の物質が生成され不純物として混在するという課題に直面しました。カゴ型分子自体の精製を試みましたが、依然として不純物を取り除くことはできませんでした。そこで私は反応物質のトリアルデヒド体に焦点を戻し、「不純物として反応点の数が異なるジアルデヒド体やモノアルデヒド体が存在し、それらがトリアルデヒド体に対して連鎖的に反応を起こして目的物質以外の不純物として存在している」という仮説を立てました。そのためトリアルデヒド体をより純度の高い形にする必要性を強く感じました。そこで私はGPCや再結晶という精製方法を駆使し、純度の高いトリアルデヒド体を得ることができました。それを用いることにより不純物のない目的のカゴ型分子の合成に成功しました。 続きを読む
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Q.
三井化学において、将来あなたはどんな活躍をしたいですか。キャリアパスのイメージがあれば、それも含めて記入して下さい。(400文字以内)*
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A.
私が化学を志したのは未知のものを作り出し社会に貢献したいという夢があったからです。その思いは今も変わりません。基礎研究は様々なものに展開され、大きな広がりを持つ可能性があります。貴社では一つの素材をどうすればその良さを世界中に広められるかと熱い思いで取り組んでおられる点に強く惹かれ、貴社でなら研究者の生み出した一つの種を大切に育てていただけると感じました。自身はまず貴社の高い技術や知見を貪欲に吸収して有機合成のプロとなり、基礎研究の場でスペシャリストを目指したいです。その中で多様な人と切磋琢磨して課題解決にあたることで成長を続け、多角的な視野を養いたいです。その上で20年後、30年後に人類が求めるべき物質は何なのかを提案し、プロジェクトを牽引するような活躍をしたいと思っています。今は全く存在しない0を1とすることができる化学の力で世界を切り開くような仕事を成し遂げたいと考えます。 続きを読む
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Q.
あなたの研究以外の自己PRを、具体的なエピソードと共に教えてください。(600文字以内)*。
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A.
私の強みはチャレンジ精神と目標に向かって努力を継続し完遂する目的遂行能力です。私は○○○○科に進学しましたが、新機能を有する化合物の合成など基礎研究を学びたいという思いが芽生え編入学を決意しました。少ない編入学の情報を収集し、自分の課題を大学の化学の専門分野の知識不足と時間の不足と分析した結果、何よりの対策は大学の授業を大切にすることだという結論に至りました。予習復習を徹底し、最前列で受講して最大限吸収することに努めました。疑問点はそのままにせず積極的に質問に行き、どの先生も熱心にご教示くださいました。その際に質問への回答にとどまらず、なぜそれが大切なのか、今後どう繋がっていくのかと深くお話いただけたことは化学に対する探究心の広がりやモチベーション向上に繋がり有難い経験でした。並行して授業を軸にタイムスケジュールを組み、試験対策にはいつ何をすべきかを整理しました。朝7時半に登校し、図書館閉館の夜10時まで化学4分野の問題集や過去問題の踏破に取り組みました。結果、編入試験に合格し、さらに在籍大学では学部生114人中2人の成績優秀者に選出されました。この経験でチャレンジ精神を持ち積極的に行動することで目的以上に世界が広がることを実感し、課題を見極めて努力を継続する目的遂行能力が身に付きました。この力で貴社の業務に積極的に挑戦し、努力を重ねて目的を完遂していけるよう頑張りたいと思います 続きを読む