18卒 本選考ES
研究職
18卒 | 神戸大学大学院 | 男性
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Q.
正直な意見・考えを述べてください。あなたは研究室で実験をしていました。実験を終え、装置の電源を切る際、誤って先輩の装置のコンセントを抜いてしまいました。貴方はその先輩とあまり話したことがなく、深い仲ではありません。さて、この後貴方はどのような行動をとりますか?
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A.
その先輩が研究室に居る場合、即座に伝えて指示を仰ぎ、その場に先輩が居ない場合は、研究室に居る仲間にその先輩に連絡してもらうと同時に、自らはまずコンセントを繋ぎ直してよいかどうかを、その機器を使っている他の人や指導教員に確認します。先輩と電話が繋がり次第、誤ってコンセントを抜いた旨を伝えた上で先輩からの指示を仰ぎます。 指示通りに対処した後、自分の機器のコンセントを抜き、大事には至らなくとも先輩にきちんと謝ります。実験の成否が先まで分からない場合は毎日先輩に確認を取ります。自らの過ちが先輩の実験の失敗・スケジュールの組み直しを招いてしまった際には深く謝罪し、先輩が帰宅してから、先輩の好きなお菓子と謝罪の手紙を机に置いて帰ります。 今後ミスをしないよう、これからはコンセントを抜く前に必ず確認することを徹底し、これを機に面識がなかった先輩と積極的にコミュニケーションを図っていきます。 続きを読む
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Q.
あなたが日ごろ取り組んでいる研究と似ていると感じる日常生活の事柄は何ですか?自由な発想で記載ください。理由も含めてお答えください。
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A.
抗体医薬生産では、抗体にのみ結合する吸着剤を用いて目的抗体と夾雑物を分別する必要があり、ここでの莫大なコストが高額な抗体医薬治療を招いています。抗体医薬の製造費用削減に向けた高性能吸着剤の開発を目指し、私は吸着剤の解析を行っています。 研究は「部屋の掃除」と似ています。掃除も、解析におけるシミュレーションも、納得のいくまで続けようとすれば相当な時間を費やします。何かを処理すればまた新しい課題が生まれたり、より細部まで観察すれば今まで見えていなかったものが見えてきたりと、共通する部分が多いと感じます。終わったときの達成感も同様であり、じっくり、丁寧に行って完了したものには相応の満足感が得られます。また、掃除をする中で、家具の配置やものの置き場など、生活する上での改善箇所を見出すことができます。解析の目的は吸着性能を向上させる具体的な改善箇所を明確にすることであり、その点も似ていると感じます。 続きを読む
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Q.
研究概要
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A.
抗体は、体内に侵入してきた細菌やウイルスと特異的に結合し、無毒化または体外へ除去する働きを持ちます。抗体を用いた医薬品は少ない副作用で高い効果が期待でき、がんやリウマチなどの治療薬として需要が増加している一方、その膨大な製造コストが招く高額な医療費が問題となっています。抗体医薬は遺伝子組み換え動物細胞の培養で生産されるため、大量に含まれる夾雑物と目的の抗体を分別することが必須であり、そこでは抗体の定常部位に強い親和性を持つ吸着剤が用いられます。この吸着剤の性能が抗体医薬の収量や純度、ひいては製造コストを大きく左右することから、多くの化学メーカーが高性能吸着剤の開発に取り組んでいます。 吸着剤の高性能化を実現するには、吸着剤粒子内部の拡散・吸着特性を把握することが重要ですが、吸着剤を充填したカラムで測定する従来法では吸着量の評価は行えるものの、こうした粒子内特性は評価できませんでした。 私は、抗体が粒子内を拡散しつつ吸着する様子を細胞の蛍光断面観察に用いられる共焦点レーザー走査顕微鏡を利用して追跡し、これを数値シミュレーションすることにより、吸着剤粒子内における抗体の拡散・吸着特性を定量的に評価しています。研究結果を基に、当研究室ではより高性能な吸着剤の新規開発を試みています。抗体医薬の製造コストを減らし、より多くの方に抗体治療を届けることが私の研究の最終目標です。 続きを読む