18卒 本選考ES
技術職
18卒 | 新潟大学大学院 | 男性
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Q.
あなたの研究テーマや得意技術について専門外の人にもわかるよう説明し、その技術を用いてどのような社会課題の解決に貢献できる(したい)か説明してください。
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A.
私は、ヒト言語が持つ特徴である二重分節性に着目して、ヒトがどのようにして言語を理解するのかを脳科学的に解明しています。二重分節性とは、「文」は意味単位「語」に分解され、「語」は単独では無意味な「文字」に分解できる性質であり、この二重分節性により有限個の文字から無限の語や文を構築することができ、ヒトの言語の持つ創造性や生産性を生み出しています。二重分節性の具体例としては、ひらがな文字列の文理解過程が挙げられます。子ども向けの絵本の文章はひらがなで書かれていますが、そのような文章を理解する際には、最初にひらがな文字列を単語に切り分け(第一段階)、切り分けた単語を文法的に組み合わせて文を作る(第二段階)ことで文理解をします。この二段階過程が二重分節性の性質であり、それぞれの段階での脳活動領域が解明されれば、子どもの言語獲得を研究している発達言語学の分野に新たな脳科学的知見を入れ込むことができ、臨床の面でも言語障害、またはディスレクシアのような発達障害に対する新たな診断・治療が期待されます。 続きを読む
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Q.
学生時代(大学・大学院)に周囲を巻き込んで困難を乗り越えたエピソードを説明してください。その中であなたの果たした役割やこだわった点を具体的に説明してください。
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A.
周囲を巻き込んで困難を乗り越えた経験としては、大学院での研究活動が挙げられます。私は大学院でヒト言語機能に関する研究プロジェクトのリーダーとして研究活動をしています。この研究プロジェクトは長年行ってきましたが、言語に関する研究をしているにも関わらず、今までは言語学の知識が少ない研究者のみで研究を進めてきたことに私は疑問を感じていました。言語学の知識が少ないため、研究は言語学的な知見で欠けている部分が多く、うまくいかないことばかりでした。そこで私は、新たな発想を取り入れるために言語学の研究者を共同研究者に入れるべきであることを先生方に提案しました。その提案に先生方も納得していただき、脳科学にも精通した言語学の先生を共同研究者として招くことができました。それ以来、分野の異なる共同研究者と頻繁に議論を設け、また国内の学会に積極的に参加することで、研究に新たな発想を取り入れた結果、研究がうまくいくようになり、研究の質も高めることができました。研究を通して私は、専門知識以外にも、論理的思考力と発想力で課題を発見・解決する力を得ました。 続きを読む