教育哲学(リバタリアニズムにおける教育の正義論とその実現)
私は一年生の時から、研究者を志していたこともあり研究室に通い、誰よりも勉学に励んできた。それは、全ての人々が幸せに生活するにはどうすればいいかを明らかにしたかったからだ。私の関心領域は多岐にわたるが、専門領域としている範囲では①教育における正義論と②ICTという言葉に集約できる。
① 教育における正義論:教育における正義論は、教育における正義とはなんなのかを検討するものである。私は税金を基本的に認めず自由(市場)に任せるべきとする、リバタリアニズムという立場から検討している。また、リバタリアニズムの正義観から現在の公教育の問題を浮き彫りにすることにも関心がある。
② ICT:リバタリアニズムにおける正義、つまり、公教育抜きで平等で各人にとって最高の教育を保障することと関係する。この実現はICTと結びつけるしかないと思い、最高の質のオンライン教育とは何か、ということとその実現可能性を情報哲学の知見をふまえて探っている。
これらの研究の私の独自性はどこにあるだろうか。教育の正義論はこれまでリバタリアニズムの立場から検討がなされたことはなく、私が世界で初めてであると自負している。また、教育とICTの関係も従来の研究は学校教育の補助教材の側面の研究が主であり、ITCを教育のメインの媒体とする視点は多くはないし、その必要性を正義論をふまえ主張するのは類を見ないだろう。また、情報哲学の知見の下で教育を研究するものは、教育哲学者の立場からなされたことはおそらくないので、その点でも独自である。
次に、これらの研究の社会にどうのように還元できるかを述べたい。正義論は日本ではあまり目立たないが、米国や英国では正義論の議論が参考に行われた政策が多数ある。特にリバタリアニズムは現在の世界の流れとマッチしている点が多く、抽象論や実現不可能な提案ではなく、実現可能な具体手的な案を示すことができる。我々の向かうべき指針を示してくれる、我々の行動の軸を定めてくれるという点で特に政治と関わる者には重要であろう。シンクタンクの業務においても、それがなぜ問題なのかをより深い次元で理解できることにより、業務によりコミットできるようになると思う。ICTの場合はオンライン教育を中心として、ICTを利用した教育の発展に直接寄与するものである。情報哲学は哲学のイメージとは異なり、常に情報科学の最先端の領域と結びつき、影響を与えている。オンライン教育も同様である。
とはいえ、これらの研究は現実の目の前にある社会問題を解決するようなものではない。私としては今後は直接社会問題の解決に関わっていきたいと思う。確かにこのような研究は現実との接点が薄いが、論理力・知的体力・批判力・創造力を大きく必要とする。御社に入社した暁にはこれら力をフル活用して現実の問題と徹底的に向き合い、社会の発展に寄与したいと思っている。
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