【挑戦と成長の軌跡】【23卒】富士フイルムの夏インターン体験記（文系/事務系総合職）No.29547（非公開/男性）（2022/7/22公開）

化学メーカーの中でも、特にヘルスケア事業領域において国内外において他の追随を許さない圧倒的な実績を誇る企業であったため。どのような形でフイルム事業からヘルスケア事業への転換を図ったのか、及び新規事業領域への進出にあたってどういった困難を、どのようにして企業として乗り越え、軌道に乗せていったのかを学びたいと思い、関心をもった。

①事前にインターンシップ選考の内容を就活サイト上で検索・調査し、面接においてどのような話し方、人柄のアピールが評価に繋がるかを研究した。
②また、面接においてはガクチカのみならず、これまでの学生生活での挫折経験をはじめ失敗経験や自身の弱みについても聞かれやすいことが分かったため、そういった類の質問の想定問答を考え、模擬面接練習を重ねておいた。

他の化学メーカーに比較して、特に挑戦・成功体験と失敗、弱みにまつわる経験を聞いてくる印象が強い。成功・挑戦に関する経験については「何が成功につながったか？」、「成功に向けてあなたはどのような役回りからどういった貢献の仕方をしたのか？」、「困難にどう立ち向かったのか？」などが問われ、失敗、弱みにまつわる経験では「その挫折からどう立ち直ったのか？」、「その失敗から学んだことが他の経験で活かされていたりすることはあるか？」、「自身の弱みの改善に向けてどのようなことに取り組んでいるか？」などが問われやすいため、しっかりと準備をしておく必要がある。

1か月間思いを持って取り組みたい活動（体育会の部活、学生団体あるいはサークル活動など、情熱をもって取り組めるものであれば何でも可）について、STPDシートをもとに言語化し、STPDサイクルを改良していくというもの。

会社説明の時間が数時間ほど設けられたのち、富士フイルムで実際に活用されているSTPDシートの記入の仕方についての説明が入る。その後、STPD（See,Think,Plan,Do)シートを利用して自身の取り組みの現状・課題・それに対する自身の考え・解決に向けた具体的な取り組み案などを記入、修正を繰り返していく。取り組んでいる活動の内容や生活環境も全く異なる同じ班のグループメンバーやメンターの社員の方から最終日までに何度かアドバイスを頂きつつ、STPDサイクルを改良し、こうしたシートに記入せずとも普段から取り組みの中でSTPDサイクルを回せるようにしていく。

社員の方々が普段から与え前のようにSTPDサイクルを回し、自身の理想とする姿と現状との差分、自身が抱えている課題とそれを打破するにあたっての具体的な解決策を何度も再考し、ブラッシュアップを重ねているということがよく分かった。

『1か月間想いを持って取り組む活動』について、富士フィルムで実際に用いられているSTPDシートを記入・修正し、同じ班のメンバー間で客観的にアドバイスをしあう。

1週目にやったこと

1か月インターンシップと言いながらも、実際にオンライン上で集うのは初日、中間発表の日、最終報告日の3日間だけである。初日では、半日ほどかけて会社の沿革、事業や今後の展望についての説明が行われた後、STPDシートの具体的な使い方の説明を受ける。一旦STPDシートを入力後、グループ内で見せ合ったうえで分からない点については班に1名ついて下さっている人事部の社員さんに相談したり、コメントを頂いたりする。初日終了後は任意でチーム内で設定する中間発表の日まで会うことはなく、自分でコツコツとSTPDシートの更新・修正を進めていくこととなる。

2週目にやったこと

チームメンバーの予定などを加味して設定した中間発表会の日が3週目に控えていたので、それに向けてSTPDシートの修正・更新を行った。最初に記入していた時よりもSTPDを更新するスピードが速くなっており、取り組みの中で自然と現状分析➩課題特定➩解決に向けた計画立案➩実行の流れを自分で組み立てることができるようになっていることを実感することができた。

3週目にやったこと

同じ班のメンバーで中間発表会を行った。初日の時よりも各々の取り組みが進展していて、それに伴って新たな課題に直面し試行錯誤しているメンバーもいた。そういった事情もあり、お互いに「この課題について、○○さんだったらどのような対応策を考えますか？」など、良い意見交換の場にもなったため、有意義な時間を過ごすことができた。

4週目にやったこと

インターンシップ最終日に最終報告会を行った。そこでは、これまで回してきたSTPDサイクルをもとに、この1か月間で自身の従事していた取り組みがどこまで進展したか、その中で自身が学んだことや感じたこと、同じ班のメンバーの取り組みや工夫の中で自身が吸収せねばと感じたことなどについて共有を行った。社員の方々から私達の発表に対するFBを頂いたのち、夜にはオンライン懇親会の時間が設けられる。

それ以降の週にやったこと

1か月間のインターンシップ終了後は、参加者限定の「同窓会」と称されるイベントがあり、お互いの近況報告や社員の方に座談会形式のような形でお話を伺える機会がある。学生を大切に扱って下さる気風が強く感じられ、志望度が上がった。

人事部の社員

なし

STPDで特に重要なのはSとT。ここでの現状分析、課題特定の粒度がズレてしまっていると、その後のPlan、Doの部分でもずれが生じてしまい、本質的かつ効率的な課題解決を図ることが難しくなってしまう。

特に大変だったのは、1か月インターンシップとは言いながらも、実際にオンライン上で互いに会って話す機会は初日・中間発表の日・最終報告日の3日間しかなかったため、なかなかSTPDシート更新のモチベーションを保つのが難しかったことだ。その他に参加していた夏インターンシップと並行してSTPDシートの修正や自身の取り組みにも全力を注がなければならなかったため、その両立が大変だった。

初日・中間発表会の日・最終日以外だとお互いのSTPDシートの進捗状況がスプレッドシート状で一元管理されているため、互いのSTPDシート上にアドバイスを書きあったり、お互いを励ましあったりすることで自身の取り組みへのモチベーションアップに繋がった。

ものごとに取り組む際に、ただ漫然と取り組むのではなく、その取り組みの目的や課題点、その解決策が本当に的を射ているものなのかについて周囲の仲間の客観的な視点も取り入れながら熟慮し続けることの重要性を学ぶことができた。このインターンシップに参加したおかげで、その後も自身のサークル活動・ゼミ活動をはじめとした様々な取り組みの中で、STPDを自然に回しつつ、本質的にものごとを考える視座をもつことができるようになったと感じている。

インターンシップ参加前の段階から自分なりの取り組みの中でのPDCAを回しておけば良かったと感じた。実際にインターンシップ初日にSTPDシートと向き合ってみると、思っている以上に自身の取り組みの中での悩みや課題感、それをなぜ重要な課題と捉えたかなどを言語化することが難しいと感じたからだ。

会社で勤務なさっている社員の方々と自身の価値観とで符合する部分が多いと感じたからだ。例えば、社員の方々は各事業でビジネスを推進していくにあたって顧客・ユーザー目線に立つことの重要性をお話しして下さる方が多く、これまでの取り組みのなかで「他者の成功の起点となる、他者の悩みや課題に自分事のように寄り添う」ことを大切にしてきた自身の考え方と一致する部分が大きいと感じた。

インターン参加者ならびに入社されている社員の方々の属性を見た限り、体育会・留学経験者が圧倒的な割合を占めており、両方とも経験していない自分にとっては敷居が高いと感じたため。恐らく困難も楽しみながら乗り越えられるパッションや周囲を強く牽引していけるリーダーシップ力、語学力の高さなど幅広い素養が求められていると感じ、本選考に向けて頑張らねばいけないと感じた。

この会社がフイルム事業の不振という苦境からいかにして立て直しを図ったのかについてのお話を伺ったことで、自身もこの会社が届けるソリューションが世界中に広まるサポートをしたいという気持ちが一層強まったため。苦境に立たされる中でも決してあきらめることなく、フイルム事業で培われた強みがどのように応用できるかを考え、行動に移していく胆力・発想力の高さに強い魅力を感じた。

22卒まではインターン参加者は本選考の1次面接が免除されていたようだが、23卒ではそういった選考フローのスキップ等の優遇が一切なかったため。基本的にいきなり本選考から受ける学生と同様の選考フローをたどることになるため、非常に苛烈な競争をすることになる。

正直に言うと、夏インターンシップの段階ではまだ具体的に自身が行きたい業界は決まっていなかった。漠然とヘルスケア関連の事業に携わり、国内外の医療格差是正に取り組みたいという思いはあったため、それにチャレンジすることができそうな業界を片っ端から受験していた。医療格差是正に取り組みたいと感じたきっかけとしては、田舎で暮らす祖父母が医療インフラの乏しさゆえに片道約2時間もの時間をかけて病院に通院する姿を見てきたことに由来する。

企業に対しては、時代ごとの人々の生活の変化、技術の進化に的確に対応し、会社として注力するビジネスを柔軟に変化させていくことのできる、組織的な柔軟性、挑戦者精神にあふれた企業であると感じた。旧態依然とした日系企業というイメージがあったため、インターンシップに参加したことで大きくイメージが変わった。このインターンシップを経て、ヘルスケア事業領域に注力している他の化学メーカーも見るようになっていった。