【光捕集能拡張、高効率光合成へ】【23卒】 トヨタ自動車 技術職の内定ES(エントリーシート) No.97146（非公開/男性）（2022/8/18公開）

遺伝子操作による光捕集能を拡張したタンパク質の作成 続きを読む

現在エネルギー問題の解決に向け、太陽光エネルギーを利用した人工光合成が注目され、太陽電池が開発されてきました。これはクリーンなデバイスとして広く使用されていますが、光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率が２０％とかなり低いという問題点があります。そこで私は、自然界に存在する光合成細菌に着目しました。この細菌は光を効率よく集めるための光合成タンパク質を持っています。このタンパク質は集めた光エネルギーを高速かつ１００％の効率で電気エネルギーに変換しています。これは現代における太陽電池と比べ非常に高効率であるため、このシステムを応用した太陽電池を作成できれば少量の光でも多くの電力を生み出し、人々の生活に役立てることができます。 しかし、光合成タンパク質は高効率なエネルギー変換を行う一方で、限られた波長の光エネルギーしか吸収することができず、太陽光を最大限利用できないという課題があります。 解決するために、遺伝子操作によって光合成タンパク質の吸収波長領域の拡張を目指しました。 まずは光合成タンパク質の遺伝情報に、光合成タンパク質が吸収することができない波長の光を吸収する「人工蛍光タンパク質」の遺伝情報を挿入したDNAを設計しました。 その際、コンピューター上で光合成タンパク質・人工蛍光タンパク質複合体の分子内相互作用や、立体的な障害の影響を計算によって算出しました。このデータをもとに、複合体をより安定して形成できるような人工蛍光タンパク質の遺伝情報の挿入位置を決定し、DNAを作成しました。そして、作成したDNAを細菌に導入し、細菌のタンパク質合成機能が働くことで「光合成タンパク質-人工蛍光タンパク質複合体」が形成されました。さらに分析の結果から吸収波長が拡張されたことが分かりました。 以上より、遺伝子操作によって天然の光合成タンパク質よりも光捕集能を拡張した複合体の作成に成功しました。 続きを読む

苦労した点は、実験の段取りを自分で考える作業です。 私の研究は前例がなく手探り状態から始めました。さらに遺伝子工学を専門とする研究室ではなかったので、DNAの設計と作成は自分の力で行う必要がありました。そこで専門的な知識と技術を習得する必要があると考え、遺伝子工学専門の研究室に1ヶ月間武者修行することを教授に提案しました。初めは研究が止まってしまうと却下されましたが、学びながら研究も行うこと、目標達成の強い意志を伝えることで武者修行を承諾してもらえました。その後、武者修行先の教授のもとに足を運び、目標達成のための強い意志を伝え武者修行を実現させました。 そこでは論文を読み漁り知識を蓄え、DNAの設計・作成方法や詳細な実験条件などを教えていただく場を設けました。議論の場では自分が持つ知識を応用した意見を必ず伝えることで、次にやるべき操作を明確化しました。今後も自ら学び行動する姿勢を持ち続けます。 続きを読む

人工光合成デバイスへの応用へ向けたタンパク質精製プロセスの確立 続きを読む

天然の光合成反応を応用したクリーンなエネルギー生産システムである人工光合成デバイスの作成を目指しています。大学4年次では、光合成細菌が独自に持つ光を吸収するタンパク質を遺伝子組み換えによって、光捕集可能な波長領域を拡張した「光合成タンパク質-人工蛍光タンパク質複合体」の作成に成功しました。 このタンパク質を人工光合成デバイスに応用するためには、菌体内の約４０００種類のタンパク質から目的のタンパク質のみを単離・精製する必要があります。 目的のタンパク質と不純物を分離する方法として、タンパク質の電荷や体積の違いを利用する方法があります。まず私はコンピューター上で目的タンパク質の電荷を計算し、単離・精製に用いる試薬の最適なpHや濃度を割り出しました。このデータをもとにタンパク質の電荷の違いを利用した分離操作を行ったところ、目的タンパク質を含む5成分まで分離することができました。そして残りの5種類の不純物を分離するため、タンパク質の体積の違いを利用して分離する操作を行いました。 タンパク質の電荷と体積の違いを利用した二段階精製の結果、「光合成タンパク質-人工蛍光タンパク質複合体」の単離・精製に成功しました。 今後の予定は、単離・精製したタンパク質複合体を導電基板上に乗せることで光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率を評価していきます。この人工光合成デバイスは少量で効率的に発電できるため、正しく機能することができれば、設置箇所に制限のある現在の太陽光発電より柔軟に幅広い場所で発電ができ、エネルギー不足の解決につながると考えています。 さらに、光合成には水素発生反応も存在し、水素燃料電池に使用される水素生成に応用できる可能性があります。そのため本研究は将来的にタンパク質のデバイス化や、車の染料にタンパク質を混合することで、電気自動車や燃料電池自動車への応用が可能であると考えています。 続きを読む

苦労した点は週に２回行われている研究報告会において、質問や意見がほとんど出なかったことです。課題の明確化や新たな発見のためには活発な議論が必要であると考え、議論しやすい環境づくりに取り組みました。従来の研究発表は1人あたり１５分で行い、その後に質疑応答の時間を設けていました。原因を専門用語や複雑なグラフが出てきた際に、聞き手側の理解が追いつく前に先に進むため、議論ができる程の深い理解ができていないことだと考え、発表形式の変更を提案し実践しました。 具体的には、発表スライド1枚ごとに質疑応答をする時間を設け、その場で聞き手の疑問点を解消した状態で次のスライドに進む形式を導入しました。 質問や意見をその場で共有し内容を理解しながら進めていった結果、活発な議論が行われる環境に変化しました。現在では議論を深めることで、課題の明確化や解決案などの新たな発見ができる有意義な時間であることを実感しています。 続きを読む

①大怪我からの復帰に向けたリハビリとチーム全体へ筋トレメニューの共有とフォーム指導に尽力したこと。(48字) ②大学1年次の４月から大学4年次の10月。 ③大学１年次にサッカーで全治１０か月間の怪我を経験しました。挫けそうになりましたが成長のチャンスと捉え、弱点であるフィジカル面を重点的に鍛えることで更なる向上を目指しました。まず高校時代のトレーナーに自ら連絡を取り、より実践的な筋トレを教わりました。得た知識を活かして3人の怪我をしている仲間を巻き込み、ただ回数をこなすだけではなくフォームを撮影し合い、目的意識を持って取り組みました。 さらにチーム全体としてもフィジカル面が弱点であったため、筋トレの導入を当時の主将に提案しました。そしてメニューの共有と部員へのフォーム指導を行うことでフィジカル面の強化を目指しました。練習後に３０分間の筋トレが常習化した結果、復帰後は個人の成長とともに、チーム全体がフィジカル面で負けることが減り、怪我の頻度も少なくなりました。以上から困難な時こそ向上心を持ち続け、目標を見失わずに努力することの重要性を学びました。 続きを読む