【光学透明粘着シートの魅力】【21卒】王子ホールディングスの夏インターン体験記（理系/研究職）No.11057（名古屋大学大学院/男性）（2020/7/17公開）

セルロースナノファイバー(CNF)に興味があった。CNFの研究開発を行っている企業は数多くあるが、CNFの原料であるパルプを供給している製紙業界は強みをもつ。特に王子HDは製紙業界でも売上高1位、営業利益では同業他社を引き離す実力をもつことから注目していた。また、研究室の先輩も入社実績があり、良い印象を持っていたため応募した。参加にあたって交通費全額支給、宿泊場所も手配してくれたことも理由の一つだった。

前年に同インターンシップに参加した研究室の先輩から内容を聞いておいた。製紙業界の勢力図を多少把握しておくといいかもしれない。ESは研究内容400字程度のみなので、しっかりと自分の研究内容をまとめて伝わるように記述する訓練をしておけば特別な対策は必要ない。

光学用透明粘着シートの作成と評価

1日目にやったこと

午前中は簡単なスケジュールの説明と安全に関する注意事項のあと、テーマごとに担当の社員から基礎的な講義を30～60分程度受けた。食堂で昼食を食べてから午後から実験操作を開始した。実験は粘着シートのいくつかの評価項目を測定するための試験片作成から始まり、オーバーナイト作業の仕込みを行った後、すぐに測定できる項目をいくつか評価して終わり。その後若手社員との座談会があった。

2日目にやったこと

前日に行った測定の続きをして、すべての評価が終わったらデータまとめ、考察。一人一台ノートPCが配布され、2日間の実験の結果+自己紹介、自己PR資料をパワーポイントで数時間程度で作製した。その後社員の前で一人3分程度の発表会を行い、終了。

人事社員・イノベーション推進本部長・その他技術系社員

なし

得られたデータ量が多く、3分以内で分かりやすくまとめるためにはエッセンスを抽出し、共通する理論で現象を記述する必要があった。作業中からその点は認識しており、意識して発表に臨んだところ、出来が非常によかったと褒められた。

実験操作が未経験のものばかりだったが、時間があまりないなかで複数の測定を進めなければいけないので大変だった。データをとりつつ考察を進める必要もあり、普段の研究とは違って時間の制約が重かった。社員の方は質問すればなんでも教えてくれるが、基礎知識が少ないと発表内容に還元しづらいと思う。

希望していたテーマとは異なっていたが、大学や自身の研究では触れる機会のなかった粘着特性および光学測定に関する実践的な知識を学べたのは非常に勉強になった。また、イノベーション推進本部長という役職の方から製紙業界の立ち位置、王子HDの今後の事業展開などを詳しく教えて頂けたため業界研究としては極めて有意義なものとなった。

発表があることは知っていたが、自己PRをうまくできなかったと感じたため、研究内容や自身のアピールポイントを30秒から1分程度の短時間で伝えられるようなスライド案を事前に考えておくべきだった。

業務内容、社員の人柄は非常に良かったが、寮から研究所までが非常に遠く、通勤が不便すぎる。寮はJR千葉みなと駅から徒歩10分弱、研究所は豊洲にあり通勤に1時間～1時間半程度かかる。また、寮もあまりきれいではない。こうした環境で勤務を続けるモチベーションが発生しなかった。

インターンに参加していた学生は高学歴が多く、比較的優秀な印象だったがその中でも自分は実験、考察、発表のすべてにおいて良いパフォーマンスを発揮し、アピールできたと感じていたから。自身の研究内容も業務内容に近いことや、研究室の1学年上の先輩も内定を獲得していたことから情報面でのアドバンテージもあると感じていた。

上記した通り、業務内容、社員の人柄は非常に良かったが、寮から研究所までが非常に遠く、通勤が不便すぎる。寮はJR千葉みなと駅から徒歩10分弱、研究所は豊洲にあり通勤に1時間～1時間半程度かかる。また、寮もあまりきれいではない。こうした環境で勤務を続けるモチベーションが発生しなかった。

インターンシップに参加しておくと、2～3月頃に別フローで本選考の案内が送られてくる。同じくインターンシップに参加した同期は個別フローで選考が進み、一般応募よりも1～2ヶ月程度早く内定を獲得していた。

化学の研究職につきたかったので、化学メーカーを志望していた。特に、自身の研究内容が似通っている、バイオマス関連の製紙業界（王子HD,日本製紙、レンゴー等）あるいは高分子材料系のメーカーに行こうと思っていた。製紙業界は特に研究室との関連が深く、OBも多数在籍しているので業界研究がしやすく、選考でも多少有利にはたらくと考えていた。

このインターンシップを経て、勤務地と居住地の関係に目を向けるようになった。勤務内容としては研究職を志望していたが、化学系研究職の勤務地は田舎であることが多かったり、王子HDのように都内に研究所があっても通勤に時間がかかることが多い。自分はこうした点を許容できないということがわかったため、本選考では企業の研究所の場所をよく吟味して応募するようにしていた。
製紙業界は薄利多売で企業規模はどうしても大きくなる傾向にあるため、技術力で利益を出していく機能化学品メーカーのような側面はあまりないと感じ、本選考では製紙業界はメインに据えなかった。