
23卒 本選考ES
研究
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Q.
将来、あなたが技術者として実現したいこと
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A.
私が技術者として実現したいことは、材料研究に携わり、最終製品の高付加価値化に貢献することです。高専や大学での有機合成の研究を通じて、新しい物質を作り出すことの達成感と価値を感じた経験から研究開発の仕事に興味を持ち、特に大学での有機EL材料の研究で、高性能の発光材料の開発を達成したことから、社会でも材料の研究を続け、これまでにない材料を生み出したいと強く感じました。機能性材料研究において私が取り組みたい分野は、有機合成の経験と知識を活かした機能性材料の合成や、量産技術の開発です。有機化合物は分子レベルから設計することが可能で、様々な機能を発現させることが可能であるため、課題解決型のイノベーションに大きく貢献することができると考えております。大学で身につけた材料開発のノウハウを活かし、実際に社会に出て働くことで得た気づきや経験を積み重ねていくことで、新規材料の研究開発に貢献したいです。 続きを読む
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Q.
なぜキヤノンを志望するのか
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A.
美しい色や、薄型で軽量、フレキシブルといった特徴から、スマートフォンのみならず、車の窓ガラスや眼鏡のレンズに搭載するなど、有機ELディスプレイ製品の幅は今後さらに広がっていくと考えています。私には、新規有機EL材料を開発し、その材料を利用した新製品を作り出したいという夢があります。貴社には、材料を主役とした開発が可能で、自ら設計・合成してデバイス評価を確認でき、そのまま製品化まで望むことができる環境があります。また、考えたことを製品に向けて実現していける多様なスキルを持った方が多くおり、私も一員となって研究したいと強く感じました。貴社に入社いたしましたら、大学で培ってきた有機合成の知識を活かして有機EL材料にブレイクスルーを起こし、製品化に貢献したいと考えています。 続きを読む
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Q.
学生時代に力を注いで挑戦したこと
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A.
光機能性分子の研究です。高性能の発光材料を開発・合成し、機能の調査を目指しています。私は材料の合成を行っています。分子設計の完了後、数段階の合成経路を考え、実験を始めます。実際は途中の段階で目的物が得られないことが多いため、触媒や反応温度などいくつも検討し、最も良い条件を模索します。期待通りに結果が出ず、困難の連続で行き詰まってしまうこともありました。最初はその度に落ち込みましたが、先生がネガティブデータも意味のある結果だと励ましてくれ、予想外の結果でも受け止めて次に繋げる力がつきました。最終段階が難解で二ヶ月ほど前に進まない時期がありましたが、本当にこの化合物から目的物が得られるのか、途中の試薬に問題があるのではないかなど、根本的なことから考え直すことで、最終的に目的化合物の合成を達成しました。一点のみの解決方法を探すだけでなく、視点を変えて考え直すことの重要性を学んだ経験となりました。 続きを読む
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Q.
研究テーマについて
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A.
現在実用化されている有機EL素子の発光材料は、蛍光材料と燐光材料、TADF材料ですが、蛍光材料は発光効率が低い、燐光、TADF材料は高い発光効率を示すものの、色純度が低いという課題があり、高い発光効率と色純度を持つ発光材料の開発が急務となっています。そのような中、TADF分子の新たな設計として、多重共鳴(MR)効果を利用したTADF分子(MR-TADF)が注目されています。ホウ素と窒素のMR効果と、剛直な分子構造に起因して高い発光効率と色純度を兼ね備えた発光材料が実現可能です。これまでのMR-TADF分子はホウ素と窒素、カルボニルと窒素など、電子不足な原子と電子豊富な原子の組み合わせのものばかりでしたが、本研究では、窒素とホウ素とXX原子の3種類のヘテロ元素を組み込んだMR-TADF分子、AAの開発を行いました。AAは極めて狭い半値幅の発光バンドを示し、高色純度でした。また、これまで報告されているMR-TADF分子では最速の逆項間交差速度を示しました。これは、XX原子が窒素と同様の電子豊富な部位として機能するだけでなく、逆項間交差を促進させたためと考えられます。この結果を踏まえ、今後は更なる逆項間交差の高速化を目指した分子デザインを設計し、ディスプレイなどへの応用を目指していきたいと考えています。 続きを読む