
23卒 本選考ES
技術系職種
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Q.
研究テーマと概要を記述してください。(学校推薦応募のため通常選考とは設問が違っていた可能性があります。)
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A.
私は「ナノ構造を用いた窒化物半導体LEDの高効率発光」というテーマで研究に取り組んでいます。LEDは照明をはじめ、ディスプレイ、イルミネーション、植物栽培、殺菌洗浄など現代社会のあらゆる場面で活用されています。なかでも、RGBによる人体に優しいLED照明や、液晶や有機ELの性能を凌駕するマイクロLEDディスプレイは次世代デバイスとして注目されています。そして、殺菌能力のある紫外光LEDはウィズコロナ時代に大きな役割を果たすことが期待されています。しかし、紫外領域や緑色領域のLEDは発光効率が低いです。そこで、紫外領域や緑色領域の発光効率を高効率化することを本研究の目的とし、まず私は紫外領域の発光を高効率化する研究に取り組みました。具体的には、ナノスケールの金属構造でキャッチした光を増幅して放出する「プラズモニクス」というナノテクノロジーを用いました。光を増幅させやすい銀ナノ粒子を用いましたが、窒化物半導体との相性が悪く、時間経過と共にナノ粒子が崩壊するという問題に直面しました。私は電子に関する物性値に注目し、半導体と銀の間に酸化薄膜を形成することでナノ粒子の崩壊を抑制し、併せて紫外領域の発光を高効率化できました。さらに、その発光メカニズムを光学シミュレーションによって解明した際に、半導体と金属の間に挿入した酸化薄膜はナノ粒子の崩壊を抑制するだけでなく光の増幅にも関与していることが分かり、発光をより大きく増幅するデバイス構造を発見しました。ここまでの成果を国際会議を2つ含む6つの学会で発表し論文にまとめました。次に私は、緑色領域の光を高効率化する研究に取り組みました。紫外領域の光を高効率化できた、窒化物半導体と銀ナノ粒子の間に酸化薄膜を挿入した構造を用いてシミュレーションを行ったところ、これまでは難しかった緑色の光をキャッチしやすくなり、約8倍の増幅効果が期待できることが分かりました。しかし、実際には光の損失が大きく、実験結果はシミュレーション結果を大きく下回りました。工夫を施した構造でも緑色領域の光は増幅できなかったので、私は金属を用いるプラズモニクスをあえて使わない別のアプローチを探索しました。具体的には、金属を用いずに酸化薄膜の効果のみを抽出できないかと考え、試行錯誤した結果、緑色領域の光を約12倍にも増幅する新たな加工プロセスを発明しました。そして、この発光メカニズムの究明に取り組むなかで、デバイス構造に改善の余地があることに気づき、最適化した結果、増強比を約23倍にまで引き上げることができました。この手法は前例のない革新的な手法であったため特許を出願し、この成果を2つの国際会議で発表予定です。また、プラズモニクスに用いる金属ナノ構造の作製に関しては、低コストで大面積にナノ構造を作製できる手法を採用していますが、ランダムにナノ構造が発生するため、配置パターンの予測が難しいという課題を抱えていました。そこで私は、このパターン形成を予測することで、制御できないかと考え、文献調査を行ったところ、拡散方程式という数式でパターン形成を説明できることを突き止めました。そこで、自身で学んでいたPythonのスキルを活かし、実験結果を高精度で再現できるシミュレーションコードの作成に成功しました。そして、計算や実験に用いたパラメータに機械学習を応用したりシミュレーション画像をパターンごとに識別する画像認識AIを実装したりして作製手法の最適化を試みています。画像認識AIに関しては、当初25%未満であった認識精度を99%以上にまで向上させることができました。 続きを読む
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Q.
東芝で実現したい夢を教えてください。(学校推薦応募のため通常選考とは設問が違っていた可能性があります。)
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A.
私は地球環境に配慮しながら地球上のすべての人がより豊かな暮らしを実現できる持続可能な社会を実現したいです。具体的には、より優れた物性をもつ化合物半導体を用いた次世代電子デバイスや、大容量ストレージデバイス、センシングデバイスなどを開発して、様々な社会課題を解決できる技術者になりたいです。私は大学で化合物半導体を用いた光学技術やその物性についての研究を行ってきたので、貴社の研究開発においても即戦力で貢献できると考えます。さらに、自主的にAI技術を習得し実際に自身の研究に活用した経験があるので、サイバーとフィジカルを掛け合わせて新たな価値創出に取り組む貴社と技術的な面で親和性が高いと感じています。 続きを読む