18卒 本選考ES
技術職
18卒 | 慶應義塾大学大学院 | 男性
- Q. キヤノンに入社してやりたいこと、実現したいことは何ですか?取り組みたい技術や分野を踏まえたうえで具体的に教えてください。(ご自身の現在の専門分野と異なっていてもかまいません。)
-
A.
私は「人の暮らしをゆたかにするものづくりをしたい」と考えています。そのため、人の健康を予防から支えている診断機器を含む医療機器の設計開発を行いたいです。私は、医学部と共同研究をする中で医療業界には工学部の技術が求められていると感じたことから、設計や解析など工学的な知識や技術を活かすことで医療業界に貢献したいと考えるようになりました。また、現在、高齢化の影響で医療費や保険料の高騰が多くの国での社会的課題となっており、早期発見を推進する予防医学への期待が高まっています。そこで、私は予防医学において低侵襲を可能とする診断機器の開発を行い、患者への負担を減らしたいと考えております。さらに、医者のニーズにも合わせた機器開発を行うことで医療従事者をも支えて、患者と医者の両者に貢献したいです。これは、世界的シェアを誇る貴社のカメラ事業で培ったイメージング技術および精密技術があるからこそ実現可能な事業だと考えております。加えて、私が研究生活で培ってきた、専攻が異なる医療従事者と共同で研究を進める力や生体医工学の知識が活かせると考えており、医療と工学の分野をつなぐ架け橋となりたいです。 続きを読む
- Q. 学業以外で力を注いだことについて教えてください。(その活動において、困難だったことや、その困難にどのようなアプローチで取り組んだか、またその経験から得られたことなどを具体的に記載してください。)
-
A.
私が最も頑張ったことは、連日満席の飲食店のアルバイトを4年間勤続したことです。私は働き始めてから2年でお店のリーダーを任されるようになりました。しかし、始めは人に指示を出すことに抵抗があり、従業員の管理が上手くできませんでした。また、任された仕事を自分が全て行おうという責任感から空回りしてしまい、お店を上手く回せていない状況でした。そこで、なんとかスムーズにお店を回したいと思い、自分に与えられた立場を改めて理解し、どう振る舞えば良いのかを常に意識するようにしました。リーダーは、予約の管理や席の配置、オーダーや従業員の管理といったお店全体の状況把握を第一に行わなければならないと気づき、年齢も国籍も異なる多様な従業員に個人の長所を活かした指示を出すように心掛けました。これにより、各々のやるべき事柄が明確となってスムーズな接客に繋がりました。結果として、お店の回転率が上がり一日20万円代後半に留まっていた売り上げが30万円を超えるようになりました。この経験から、複数の仕事を同時に管理することによる全体を把握する力、その中で自分の役割を自覚する力、また、人にあった指示を出す力が身に付きました。 続きを読む
- Q. 卒論について 1、研究テーマ・分野 2、テーマの選定理由 3、これまでに成し得たこと 4、研究における独自性や新規性 5、研究過程での気づきや発見 6、苦労した点・改善点 などを踏まえて具体的に教えてください。
-
A.
私の卒論では、細胞を培養することによる組織再生を目的とした培養デバイスの開発を行いました。機械工学科で学んだものづくりを医療分野に活かすことが出来ることに興味を抱き本研究に取り組みました。現在、人間の損傷した組織を体の外で細胞から作り上げるという再生医療に注目が集まっています。この生体外での組織再生には、細胞を生体内の環境にいかに近づけられるかが重要と考えられています。具体的には、我々の生体内の細胞周辺には、細胞の増殖などを促進させる生理活性物質という栄養素が存在しています。この生理活性物質の濃度や拡散性が生体内で細胞に大きな影響を与えて、組織再生が促進されると考えられていることから、私は生体外でも細胞に生理活性物質を拡散供給可能な培養デバイスの設計開発を行いました。既存の研究と異なり、生理活性物質を持続的に供給できることが本研究の特色です。本研究で最も苦労した点は、研究室配属時に皆無だった細胞培養技術や組織学の知識を一から学んだ点です。何でも新たな知識を身につけることが楽しいと思いながら勉強に励みました。そして、様々な分野の知識を組み合わせてこそ新たな創造が生まれると感じられました。 続きを読む
- Q. 修論について 1、研究テーマ・分野 2、テーマの選定理由 3、これまでに成し得たこと 4、研究における独自性や新規性 5、研究過程での気づきや発見 6、苦労した点・改善点 などを踏まえて具体的に教えてください。
-
A.
修論では、卒論時に開発した培養デバイスの改良を行い、それを用いて細胞培養を行うことで生体外での毛髪再生を目指しています。現在、細胞を用いた生体外での毛髪再生はどの研究グループも成功しておらず、脱毛症は薬での治療が一般的です。しかし、薬での治療が不可能な脱毛症も存在しており、薬に頼らない毛髪再生はQOLの向上に重要な役割を果たすと考えて本研究に取り組みました。毛髪再生には細胞に添加する生理活性物質の濃度、拡散性が重要だと考えられていることから、生理活性物質の拡散供給量を制御可能である培養デバイスの開発を行っています。現在までに、開発したデバイスを用いて毛髪構造を模擬するように細胞培養した結果、毛髪を作り出す器官である毛包組織の生体外再生に成功しました。苦労した点は、培養デバイス開発の際に半年間何度改良しても物質の拡散制御が上手くできなかった点です。しかし、何か他の方法はないかと常に考え、一から設計し直すことで解決することができました。今までのやり方にこだわるのでなく、研究の本質を見つめ直して、必要ならば既存のものを一度壊してから新たに作り出すことも時には大切だと感じました。 続きを読む