19卒 本選考ES
研究職
19卒 | 横浜国立大学大学院 | 男性
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Q.
【研究もしくは卒論(修論)のテーマと概要】 1500 (学部の方は、今までに注力された講座内容、また今後取組みたい研究内容についてご記入ください) (改行はしないでください)
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A.
私は【次世代二次電池であるリチウム硫黄電池の高エネルギー密度化】というテーマをもとに、電解液に焦点を当てて研究を行っています。リチウム硫黄電池は正極に硫黄、負極にリチウム金属を用いた電池であり、現行のリチウムイオン電池の正極であるLiCoO2の10倍以上の容量を持ち、さらに石油精製時の副産物として得られる硫黄は資源的に豊富で安価であるという利点を持ち、ポスト・リチウムイオン電池として注目されています。しかし、リチウム硫黄電池は充放電時に反応中間体であるリチウムポリスルフィド【Li2Sx】が電解液中に溶出することによって、正極中の活物質量の減少、溶出したLi2Sxが負極と反応することによる負極上での不動態膜の形成、さらに溶出したLi2Sxが負極上で還元された後に正極まで拡散し、充電時に酸化するサイクルを繰り返す【レドックスシャトル現象】による充放電効率の低下といった問題点が挙げられます。この問題点を解決するために、多くの研究では電解液にLiNO3を添加することで負極上に良質な被膜を形成し、レドックスシャトル現象を抑制する方針を取っております。しかし、このLiNO3は消費型であり、充放電を繰り返すことで電池性能が徐々に劣化してしまう問題点が残ってしまいます。そこで、近年では【Li2Sx難溶出型溶液】を電解液として適用することで問題点の解決を図っております。当研究室ではG4とLi[TFSA]の等モル比混合物である[Li(G4)1][TFSA]が【溶媒和イオン液体】として振る舞い、Li2Sxの溶出を抑えることができることを報告しております。本研究では①G4/Li[TFSA]比を変化させることでLi2Sx溶解度を変動させ、【Li2Sx溶解度と電池特性との間の相関関係を調査】、②【高エネルギー密度化】を目指すために電池内の電解液量の削減の検討を行っております。①に関して、G4/Li[TFSA]比を表すxが様々な値をとる溶液[Li(G4)x][TFSA](x = 0.8, 1, 1.5)を作製したところ、xの値が大きくなるにつれてLi2Sx溶解度が大きくなることが分かりました。これは溶液中に含まれるフリーなG4がLi2Sxと溶媒和することでLi2Sx溶解度が大きくなったと考えております。これらの溶液を電解液として適用して充放電試験を行ったところ、x = 0.8, 1.5の電解液に関して高い初期容量が得られました。このことから、【Li2Sx溶解度と発現容量との間に相関はない】ことが分かりました。さらに、2サイクル以降を考慮したところ、Li2Sx溶解度が低いx = 0.8の電解液を用いたときのみ高い容量が得られました。この結果は、x = 0.8の電解液を用いた際に【Li2Sx溶解度を抑えると同時に長期サイクルが期待される】ことを示唆します。②に関して、x = 0.8の電解液を用いた際、電解液量の削減を検討したところ、従来の汎用有機電解液を適用した電池と比較して少ない電解液量においても高い容量が得られました。このことから、【x = 0.8の電解液を用いることで電解液量を削減でき、電池の高エネルギー密度化につながる】ことが期待されます。しかし、この電池は正極に含まれている硫黄の電子伝導性が低く、充放電速度が遅いという問題点が残ります。そこで、今後の研究は正極の最適化として正極の担体に電子伝導性の良い【カーボンナノチューブ】を適用することで、充放電速度を向上することを目標とします。 続きを読む
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Q.
【東芝で実現したい夢】 300 仕事をする上での夢や目標、「東芝」という自己実現の場を通して、自らが社会で実現したいビジョンを教えてください。 (改行はしないでください)
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A.
【研究を通して新しい価値を見出し、世界の人々に喜びと感動を与える】ということが夢です。この夢は研究と塾講師の経験に由来します。研究活動の中で、分からないことを解明する面白みを知り、研究を通して世の中に役立たせたいという強い気持ちが芽生えました。また、塾の教え子から「柳先生のおかげで苦手科目が得意になって本当に感動しました。」と声をかけてもらった際に、とてつもないやりがいを感じました。入社後には、【粘り強い探求心】という私の強みを活かし専門性を身に着けることで自己成長していきたいと思います。そして、研究から新規性のある技術を生み出し、人々の暮らしに応用することで社会に貢献したいです。 続きを読む
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Q.
第一志望業種(研究開発センター, 次世代蓄電池の研究開発)の志望動機 200
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A.
研究で得た電気化学等の知識や電池実装評価・解析法などを応用することで、新規蓄電池開発に貢献できると思い、志望しました。今後、電気自動車やIT化が広く普及していくため、高性能な電池の需要が増えていくと考えられます。そこで、電池に関して高い技術力を誇る貴社の下で、より高い性能を持った新規蓄電池の長寿命化や高エネルギー密度化の検討等の研究開発を行うことで、私たちの日々の生活に大きく役立たせたいです。 続きを読む