21卒 本選考ES
技術系総合職
21卒 | 東北大学大学院 | 男性
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Q.
研究内容もしくは卒論テーマの概要(1500字以内)
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A.
私は固体酸化物形燃料電池/電解セル(SOFC/SOEC)の高性能化にむけた研究を行っています。SOFC/SOECは電極や電解質などの構成部材が全てセラミックスでできた燃料電池/電解セルであり、固体の内部をイオンが移動することによって電池や水電解の働きをしています。CO2フリー電源への関心の高まりからSOFCは特に開発が進んでおり、現在家庭用に販売されているものは発電効率が50%以上と火力発電に匹敵する性能を示しており、また排熱の利用によって総合エネルギー利用率は90%程度となります。更なる今後の利用方法として、燃料電池としての発電と電解セルとしての水蒸気電解を一つのデバイスで可逆的に行う、蓄エネルギーデバイスとしての適用が考えられています。この実現により、今後益々増加していくであろう再生可能エネルギー電源の問題点である出力変動を吸収する役割を果たすことが可能となります。しかしSOFC/SOECの更なる普及に向けては課題が多くあり、特に”コストと耐久性”の2点が大きな課題となっています。これらの克服には作動温度を従来の700℃以上から4~600℃まで下げることが有効であるとされています。作動温度の低下によって安価な材料の適用が可能となり、熱的劣化も抑えられるためです。しかし、電極上での化学反応や固体電解質内部におけるイオンの移動は温度が下がると活性が失われてしまうため、出力も大幅に低下してしまいます。そこで、現在電解質として用いられる酸化物イオン導電体に代わって、プロトン(水素イオン)導電体を適用することが以前より検討されています。これらは電解質内部を移動するイオンの種類が異なっており、酸化物イオンに比べてプロトンはイオン半径が小さく移動しやすいため、4~600℃の中低温域においても比較的高い導電率を示します。このような背景の中、私の研究ではプロトン伝導型SOFC/SOECの実用化への課題となっている電極反応抵抗の低減、また効率を低下させるホール伝導という現象の抑制を目標としています。電極反応は電極と電解質材料の組み合わせ、ホール伝導は電解質材料そのものの性質が支配的な要因です。そこで私は2種類、あるいは3種類の電解質を組み合わせることで電極反応抵抗の低減やホール伝導の抑制が可能であるかについて、またプロトン伝導型SOFC/SOECを可逆的に作動させた際に問題となりうるホール伝導の過渡特性について、シミュレーションと実際のセルの作製・評価を通して検証を行っています。 続きを読む
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Q.
東芝で実現したい夢は何ですか(300⽂字)
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A.
私は分野に囚われないモノづくりによって人々の生活を支えたいと考えています。近年は様々な方面で技術革新が進む一方で、持続可能な社会の形成にはより大きな変革が必要であると感じています。貴社はエネルギー分野、社会インフラ分野で長年幅広く活躍されており、世の中に新たな常識を生み出す技術力と影響力が十分にあると考えています。貴社の長年蓄積されたモノづくり技術のノウハウと、私が大学で学んできたエネルギー工学の知識と経験、また社会にあふれる新技術やニーズを柔軟に組み合わせ、数十年後の「エネルギー・環境問題に憂う必要のない世界」に”あって当たり前”の製品・サービスを開発したいです。 続きを読む