今後のコンサルティングビジネスの役割について、まずは前提となる背景の変化について説明します。第一に挙げられるのがテクノロジーの進歩、特にDXの普及です。業界の最先端で競争に打ち勝つため、各企業は絶えず変化し続けるテクノロジーに対応し続けなければなりません。コロナウイルスの感染拡大により従来のビジネスモデルが変化し始めている今、こうした動きはますます加速するでしょう。2つ目は、企業の社会的責任について大きく問われる時代になったことです。ユニクロのバングラデシュでの「グランユニクロ」などは非常に良い例です。安価で服を供給することで貧困問題への貢献という社会的インパクトを残しただけでなく、結果的に大きな利益を生み更なる投資に向かうことができました。このように社会的責任を追及することが、副次的に企業のイメージアップにも繋がりビジネスの成功をもたらすと私は考えています。こうした2つの背景から、各企業は従来の経営方針を転換すべき時期であると言えます。そこで今後コンサルティングビジネスには、「社会的使命を果たしつつ、DX推進を実行までサポートする」という付加価値が求められると考えます。従来コンサルティングは戦略立案のみを指し、実行まで携わるケースは少なかったはずですが、テクノロジーが進歩すればするほど顧客のみでそれを行うことは難しくなるでしょう。実際に私は半年以上長期インターンとして中小企業のITコンサルに近い業務に携わってきたのですが、その経験から顧客1人で解決することがどれほど大変か、コンサルの実行フェーズの必要性を肌で感じてきました。したがって外部の提言者としての役割でなく、より一層顧客に寄り添った、一緒に目標達成に向かう姿勢が求められるはずです。そしてDXのもつ影響力の大きさから、今までは戦略実現のための手段であったIT導入が、今後は戦略の目的そのものになるとも考えています。
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