全てのほ乳類が言葉をしゃべるようになった場合、人気のペットは犬や猫などほ乳類から鳥類へと変化する。何百年も前から人間と共にペットとして生活をしてきた犬や猫は、何の不満もなく生活をしているのだろうか。人間の思い通りに行動し、反応してくれるから、人間が勝手にペットを気に入っているだけではないだろうか。
例えば、一人暮らしの家のペットは、家に帰ってきて仕事の愚痴などを聞かされているだろう。この時、飼い主がペットに求めていることは①愚痴をただ聞いてくれること②その愚痴を誰にも話さないことである。もしペットが言葉を話すようになれば、飼い主の愚痴に対して返答をするだろう。そして、その愚痴は言葉をかわすことで他の人にも広まってしまうだろう。そうすると、飼い主はペットに対し愚痴や悩みを話すことができなくなり、ほ乳類はペットとしての役割を果たせなくなる。
その後、ペットはほ乳類から言葉を話せない他の生物へと変化していくだろう。ほ乳類と同じく温かみがあり、鳴き声で反応してくれるという点で鳥類のシェアが拡大していくものと思われる。
しかし、この変化により放棄されたり処分されたりするペットはそれほど増加せず、むしろ減少すると考えられる。なぜなら、放棄する際にペットが悲しむのを見ると、それまで一緒に暮らしてきた情から放置して帰ることができないからである。また、処分の際、ペットの苦しんでいる言葉が理解できてしまうと、人間はその精神的ショックに耐えられないからである。
この変化の課題としては、飼い主の精神が疲弊してしまうということである。飼い主は家の外でためたストレスをペットで解消していた。しかし、言葉を話せるようになるとストレスを解消できなくなり、場合によってはストレス源となってしまうこともありうる。この状況が続くと家の外でも中でもストレスが溜まり、飼い主は精神的に疲弊してしまうだろう。従来の考え方のペットとしてではなく、人間と対等な立ち位置としてのペットのあり方を社会全体で考え、飼い主の心構えを変えることでストレスと付き合っていく必要がある。
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