16卒 インターンES
技術系総合職
16卒 | 金沢大学大学院 | 男性
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Q.
当社インターンシップの志望理由を(希望コースの選択理由も含めて)記載してください。(400~600字)
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A.
私はモノづくりを通して地球環境と人々の生活に貢献したいと考えています。環境問題、特に地球温暖化に講義で初めて触れた時、CO2直接排出量の割合が最も高いエネルギー変換部門の改善が必要だと考えました。現在、原子力発電所停止により火力発電の負担が増し、CO2排出量増加が深刻な問題となっています。また、火力発電はコストが高いため電気料金が値上がりしています。そこで、今最も求められていることは火力発電の効率を高めることではないかと考え、就職先として火力発電に携わることができる電力会社を志望していました。しかし、昨年度参加した火力発電所見学で、実際にタービンや発電機を造っているのはメーカーであることを知りました。それを機に、発電事業を行っているメーカーを探し始め、貴社の電力システム社での取り組みを知りました。こちらでは火力発電に用いられるタービンや発電機の製造、さらにはCO2分離回収技術にも取り組まれています。また、貴社は4つの「Green」でエコリーディングカンパニーを目指していることから、地球環境問題に対する思いを感じることができました。電力システム社の火力発電事業に携わり、発電効率を上げることでCO2排出量減少、電気料金引き下げに貢献していきたいです。インターンシップでは、実際の業務を一流企業の技術者と行うことで自分の未熟な部分を吸収し、積極的にチームワークや問題解決に取り組みたいです。(600字) 続きを読む
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Q.
研究内容、もしくは力を入れている学問の内容を記載してください。(500~1000字)
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A.
私の研究テーマは「V(バナジウム)-Ti(チタン)Ni(ニッケル)合金における水素透過特性」です。近年、燃料電池が注目され、高純度水素が必要とされています。水素をつくる方法の一種に膜分離法があり、そこに「水素透過合金膜」が使われます。水素は他の分子と比べて合金内を拡散する速度が速いため、水素のみが合金を透過します。現在はPd(パラジウム)系合金が使われていますが、価格等の問題があるため代替合金が求められています。水素透過合金は水素の透過のしやすさと水素に対する耐性が必要とされます。そこで、水素の拡散が速いVと良好な機械的特性を持つTiNiから構成される「V-TiNi合金」に注目しました。この合金を研究していくにあたり、2つの問題点がありました。1点目はV-TiNi合金の研究は過去に1件しか存在しないため、実験条件が不透明であったことです。試料の加工では速度が適切でないと装置が停止しましたが、何度も装置を復旧させて最適な条件を見つけました。また、試験時には初期設定が分からず、解析時には不明な要素がいくつも存在しました。ここでは、条件を変えて試験を繰り返すほか、類似するテーマの論文を参考にするなど、様々な視点から検証しました。2点目は、試験装置の校正が取れていなかったことです。この試験はPCT測定という試験で、合金が吸蔵する水素の量を求めるために、圧力と温度を変化させて測定するものです。試験を進める中でデータの異変に気づきましたが、過去のデータがないため、この合金の特性であるのかどうか確認できませんでした。そこで他の試料で試しましたが、結果は本来のものとは異なり、今回の試験データがV-TiNi合金の特性でないことが判明しました。次に、実験方法に手違いがあるのではないかと考え、先輩と共に手順を確認しました。その結果、正しく行われていることが確認できたため、残りの要因は実験装置の不具合のみとなりました。正常に稼働している装置と比較したところ、水素が出入りする配管に温度変化があるのではないかという疑問が生じました。そこで、配管に断熱材を設置したところ、正確なデータがとれるようになりました。今回、これら2つの問題から粘り強く実験をすること、様々な要因について検討して一つずつ確認していくことの大切さを学びました。この経験をインターンシップ、そして今後の研究に生かしていきたいです。 続きを読む