19卒 インターンES
技術者
19卒 | 京都工芸繊維大学大学院 | 男性
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Q.
何を専門にどんな研究をしていますか。 または、学業で主に取り組んでいる内容は何ですか。(500文字)
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A.
私は伝熱工学を専門にしており、「不凍タンパク質を応用した疎氷面の開発」を研究しております。近年、着氷現象による屋外機器の視認性低下や冷熱機器の性能低下が大きな問題となっており,この解決方法として不凍液を噴霧する方法や着氷部を加熱する方法などがありますが,これらは環境負荷やエネルギー損失となります。そこで私達の研究グループでは不凍タンパク質を固体表面に固定する方法に着目しております。不凍タンパク質とは寒冷地に生息する生物の体内に含まれるタンパク質であり、氷の成長や生成を抑制する働きを持っています。これまで研究室の先輩方によって、疎氷面における凝固点の降下や過冷却解消温度の低下についての研究は進められていましたが、疎氷面上の氷の付着状態に関する研究は不明でした。このような背景から、不凍タンパク質を固定した疎氷面の評価として、新たにマクロスケールでの氷を剥離させる力(氷の付着力)を導入し、氷の付着力に関する研究をしております。今後の展望としては、剥離の際に氷の破壊を伴わないナノスケールでの氷の付着力測定方法の確立を目指しております。 続きを読む
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Q.
そのテーマに取り組んだ理由を教えてください。(400文字)
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A.
取り組んだ理由は二つあります。 一つ目は実験装置を一から製作して新たな実験方法を生み出すという非常に大変な研究テーマだったからです。私は自分自身を成長させるためには、大変なことに取り組むことが大切であると考えております。大学での研究三年間という短期間で、自分の素養を高めるためにそのテーマに取り組みました。 二つ目は熱力学的観点からではなく、材料力学的観点から研究を進められるところです。これまで疎氷面の評価として、凝固点や過冷却解消温度など熱力学的観点からが主でしたが、疎氷面上の氷の付着力が明らかになると材料力学的観点から評価できるようになります。そうすると新たな議論に繋がり、研究室全体に貢献することが出来ることに魅力を感じました。 続きを読む
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Q.
上記の中で、自分で工夫したことは何ですか。(300文字)
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A.
私が工夫したことは「不凍タンパク質の固定方法の改善」と「実験室の備品改善」です。固定方法の改良について、これまでの固定方法では一様に固定されていなく氷を生成する位置によって不凍タンパク質の作用が異なっていました。その問題点を改善するために試行錯誤を重ね、高さのあるワッシャーを用いることで、一様に不凍タンパク質を固定することに成功しました。次に実験室の備品改善について、実験を行うようになり実験室の備品の充実を図りました。不足している備品の補充や新しい備品の取り換えを他分野の人の助言を求めるなどして、最良の備品を選択することで研究室全体の実験環境を整えました。 続きを読む
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Q.
パナソニックのインターンシップに参加しようと思われた動機を教えてください。(300文字)
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A.
趣味の「料理」と研究の「冷却」に関する知識を発揮できることに魅力を感じました。食材腐らずに鮮度を保つことが難しく、「料理」が面倒になり中食で済ます人が増えています。しかし「料理」を通して学べることの多さ,人の心が豊かになることを実感しているので、内食は人生の中で重要だと思っております。内食の増加策として、長く腐らず鮮度を保つことが出来れば自宅で「料理」する割合が増加するでしょう。そこで鮮度を保つ方法として「冷却」方法に着目し、氷点下0~3℃で食材を保存する方法がありました。この趣味と研究が繋がった方法に強く関心を抱き、その保鮮に関する基礎技術を学びたいと思いましたので志望させていただきました。 続きを読む