22卒 インターンES
エンジニア
22卒 | 北海道大学大学院 | 男性
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Q.
大学・大学院での研究内容を具体的に記述しなさい。1000字
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A.
私は、位相限定相関法という画像処理手法を利用したプログラムをPythonで作成し、レントゲン画像から高精度な関節リウマチ診断を行う研究を北海道大学医学部と一般企業との共同で行っている。 位相限定相関法とは、フーリエ変換を用いた位相情報に基づく高精度のシフト量検知、パターンマッチング手法である。2つの入力画像をそれぞれフーリエ変換し、その位相成分のみを利用することで画像の位相ずれを移動量に応じた一点のピークとして得ることができ、位置がずれた2枚の画像の正確なシフト量を測定できる。また、全く異なる2画像を入力した場合はピークが出現しないためパターンマッチング手法としても利用可能であり、すでに生体認証などにも活用されている画像処理技術である 私の研究では、この技術を関節リウマチの診断へ応用している。関節リウマチは自己免疫の異常によって手足の関節で発生する疾患であり、病状の進行によって関節部の骨・軟骨が破壊され、関節間距離の狭窄が発生する。従来の手法は医師が目視によって現在と過去のレントゲン写真を見比べ、関節間の狭窄距離を測定することで進行度を診断するが、診断における時間的効率の悪さや目視で捉えきれない微小な変化に対応できない点が問題視されている。また、高精度の移動量測定を行う場合にはCT装置が必要になるが、小規模な病院には高額なCT設備がないのが現状である。一方、我々の研究では、過去と現在のレントゲン画像を入力として位相限定相関法によって骨の移動距離を定量的に算出するため、高精度かつ高速な定量的診断をCT装置なしで行うことが可能である。本手法の実用化に向けた研究を進め、ゆくゆくはリウマチ診断のスタンダードにしていくことを目標として日々研究を行っている。 現在は特に、骨の回転や欠けなどのイレギュラーが発生した場合の測定誤差を減らすため、実際の骨と同様のX線撮像特性を持つ模擬関節のレントゲン画像を用いた誤差特性の測定や、機械学習を用いて本手法をより強固なものとするため、カスケードネットワークを用いて医用画像の変形を行う海外での研究が我々の研究に応用可能か検討を行い、その過程で自身の機械学習への知識を高めるべく、TensorFlowなどの機械学習ライブラリについての学習などを熱心に行っている。 続きを読む