20卒 インターンES
技術系
20卒 | 東北大学大学院 | 男性
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Q.
研究室で取り組んでいる研究内容の概要(200字以内)
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A.
私の所属する研究室では、原子・分子が数個から数百個集まったクラスターやナノ粒子について、その構造物性を研究しています。中でも私は現在、分子によって保護された金ナノ粒子の合成と構造分析に着目して実験をしています。 目的としては、例えばある金ナノ粒子を合成する際、どのように金ナノ粒子の構造が変化していくのかを調べたり、どのような構造が最も安定に存在するのか、などを明らかにしたいと考えています。 続きを読む
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Q.
研究室で取り組んでいる研究内容の詳細(1200字以内)
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A.
私は現在、分子によって保護された金ナノ粒子の合成と構造分析に着目して実験をしています。そもそも金をはじめとした貴金属などは、古来よりガラス細工の着色に使われるなど幅広い分野で利用されていますが、その多くは高価であるために、出来るだけ少ない量でしかも効率よく利用することが求められます。そこで近年、ナノメートルサイズの金属粒子を選択的に合成し、それを触媒やセンサー、薬物輸送システムなどに応用する動きが活発になっています。そのため、金ナノ粒子の反応性や生体に対する安全性などの研究は数多く取り組まれています。しかし、その構造や合成過程の詳細は未だ不明な点が多く、研究の余地があります。これらを解明することでナノ粒子の基本的性質を理解することができ、将来的には新たなナノ粒子の開発などに繋がると考えています。 具体的な手法について説明します。まず金ナノ粒子は、溶液中での塩化金の還元による凝集を利用して合成します。ただし、このままでは得られる金ナノ粒子の大きさや構造は不均一になるばかりか、溶液中で金ナノ粒子同士がさらに凝集して沈殿してしまいます。そこで、金ナノ粒子の周囲を保護するための分子を共存させておくことで金ナノ粒子を分散させ、さらには大きさや構造も制御しやすくなります。なお、大きさに関しては還元後の時間経過に従って変化、金ナノ粒子の場合は徐々に小さくなっていくことが知られており、サイズの時間制御が可能です。 そうして合成した金ナノ粒子をエレクトロスプレーイオン化法と呼ばれる方法を用いて大気中に取り出し、それを真空装置に誘導します。その後まず初めに金ナノ粒子の構造を調べます。そのために、真空装置内にドリフトセルと呼ばれる窒素やヘリウムなどの不活性ガスを充満させた部屋を用意し、そこを通過させます。このとき、金ナノ粒子のサイズが大きいほど不活性ガスとの衝突回数が多くなり、ドリフトセルの通過に時間がかかるので、これを利用して金ナノ粒子をサイズの違いによって分離することが出来ます。次にイオンの質量と電荷の比によって、電界によって加速される速度が異なり、飛行時間に違いが生じることを利用した質量分析を行います。 これらの実験を通して、金ナノ粒子の構造情報を得ることが出来ます。もちろん、この手法は金以外のナノ粒子にも適用可能であり、さらに当研究室の場合レーザーを用いた光学特性の実験を組み込むことも可能です。今後の研究方針としては、ナノ粒子を保護する分子を変化させた場合の構造変化や、それらの安定性、反応性についての研究を進め、その中でナノ粒子に関する本質的な性質を解明したり、新たなナノ粒子の提案や合成ができるのではないかと考えています。 続きを読む
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Q.
実習テーマを選んだ理由(500字以内)
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A.
学部生の頃、電池材料にもなる新奇炭素化合物に関わる研究をしていた経験があり、また新規材料の開発および新旧の材料の特性比較といった内容に興味を持ったからです。私は、化学者はもちろんのこと、研究者は新しい物事を生み出すことだけが仕事ではなく、新しいものが従来のものとどのように違うのか、定量的かつ分かりやすく説明することも大事な仕事であると考えています。私がこのような考え方を強く持つようになったのは、企業との共同研究によって得られた成果を自身の研究室で説明することになった際、研究分野が物理系と化学系といった具合に異なっていたために自分達の成果を十分に説明出来なかったということに対し、統計的・数値的な処理を行いつつ、専門用語をできる限り簡易な表現に変えるなどの工夫を行うことによって説明し、それを卒業研究として先生方の前で自信をもって発表することが出来たという経験があるからです。私はこの経験を活かし、問題解決のために創意工夫を行い、得られた成果を適切な方法で表現していきます。 続きを読む
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Q.
自分のセールスポイント(200字以内)
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A.
私の強みは『未知の物事を積極的に学び、活かす力』です。学部生の頃に企業との共同研究を行った際、これまでと全く異なる分野の知識が必要となったのですが、私は臆することなく企業の方々に疑問を投げかけ、自ら図書や論文を読むことで研究に必要な知識を身に着けました。結果、自信をもって先生方の前で卒業研究発表を行うことが出来ました。こうした経験を活かし、貴社においても自発的に学び、問題解決に取り組んでいきます。 続きを読む
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Q.
得意科目(100字以内)
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A.
量子化学:原子や分子レベルのミクロな世界の基本原理を知ることで、実際に起こっている現象を化学的に解釈する方法を学びました。また量子化学的な考え方によって、錯体化学や有機化学などへの理解が深まりました。 続きを読む
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Q.
特技・資格(50字以内)
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A.
統計検定2級:統計学の基本を学ぶことで実験結果などの情報の取り扱い方を意識するようになった。 続きを読む