私は、文化の伝播を担う喜びを広めることで、多くの人が何らかの形で国際的な文化交流に関わり、世界各国と相互に理解や愛着を持てるような社会を作りたいと考えています。 貴財団を志望するのは、貴財団においてなら、この目標に近づくため働けると思うからです。
私自身が文化を伝える喜びを感じたのは、シアトルに短期留学で滞在した時でした。現地学生との会話の中で日本のピザについて聞かれ、餅入りのピザがあると伝えると、皆口をそろえて「それは甘いの?」と尋ねたのです。この時日本に興味を持った学生でさえそのような誤解をしていることに問題意識を持つと同時に、それは誤解だと伝えた時の彼らの興味津々な姿を見て、まさに今自分が日本の文化を正しく伝え、それが認められたのだという、誇りに似た喜びを感じました。この喜びを求めて一層国際交流に取り組み始めた私は、多くの地域や国の人と交流して互いに文化を伝え合うようになり、その中で交流した相手の国自体にも自分が愛着を抱くようになったことに気づきました。そして、こんな愛着をより多くの人がより多くの国に対し持てれば、やがては敵意や争いの少ない世界を作り出せるのではないか、そのためには自分が味わったような文化を伝える喜びを多くの人に広め、国際的に文化を伝え合う人を増やせばいいのではないかと考え始めたのです。
そんな私にとって、日本の持つ知識や技術を伝える国際研修事業や留学生受入支援事業、招へいや派遣を通じて青少年に文化交流の場を提供する国際交流事業など、複数の人材育成の事業を通じて国内外の人々をつなぐことで、知日派・親日派を増やし、最終的には平和で豊かな地球社会の実現を目指す貴財団の活動は、とても共感できる魅力的なものとして心に響きました。個々のブランドや地域などに制限を受けることなく、様々な領域において、実際の現場に赴いて密に人と関わり合いながら、多くの人が新たな文化や技術・知識などを吸収していく手助けをし、その喜びを直に共有することができる貴財団でこそ、自分自身も全力で楽しみながら、多くの人に文化を伝え合う喜びを広めていくことができると思います。
貴財団に入団した際には、ぜひ留学生受入支援事業や国際交流事業に携わりたいです。参加する日本人と外国人がお互いの魅力を理解し合えるよう、事前・事後を含めて全力でサポートすることで、参加者すべてを国際交流のファンにし、それ以降も相互にやり取りを続けたり、自分からまた新たに国際交流に取り組んだりする人を増やしていけたらと思います。また可能であれば、科学分野以外にも様々なテーマでのプログラムを実施し、地域ではつながることのなかった同じ関心を持つ人同士をつなげていくことによって、より持続性の高い国際交流の関係を構築していきたいです。
続きを読む