私が考える丸紅食料社員として必要なものは2つある。
1つ目は、食への興味と広く深い知識だ。丸紅食料では、飲料に使われる茶葉・コーヒー豆から食品原料となる小麦・カカオまで幅広い食材を扱っている。そのため様々な食材に対する興味と基礎的な知識が必要となる。また自分が担当する食材についてはより深く学び、その食材のスペシャリストになる意欲が求められる。味や種類、産地など食材に関する知識に加え、どのように加工したら美味しくなるか、取引先の要望に合うかという調理加工の知識も習得する必要がある。
2つ目は、社会の動向に沿って商品を開発する力だ。丸紅食料は食材を取引先に納めるだけでなく、商品を開発するメーカーの性質を持つ。トレーダーとしての能力はもちろんのこと、社会のトレンドや需要をとらえた商品開発力と課題解決のための提案力を持つことが強みとなる。
このように丸紅食料社員として働くためには「食への興味と知識」「社会変動をとらえた商品開発力」の2つを持ち続けていくべきだと思う。
そして10年後、社会の変化とともに商社のあり方も変化し、新たな視点が求められる。食料専門商社に影響を与える社会や環境の変化として以下3点を挙げた。
1点目は、情報化の加速である。世界的なインターネットの普及のため、以前よりメーカーが海外と直接取引することが容易になってきている。メーカーとしても直接取引ができれば仲介料を削減できるメリットがあり、商社に頼る必要性が薄れてきている。それに対して、食料専門商社はより海外とのネットワークを強め、情報とノウハウを活かしながら顧客のニーズに細やかに対応することで商社の価値向上に努めなければならない。
2点目は、国内の食品業界の縮小である。食品業界は不況に強く安定した業界だと言われるが、国内の人口減少と生産拠点の海外への移行により国内の食品業界の規模が縮小することが予想される。それに伴い、商社も海外での事業や新規事業に着手することが必須である。
3点目は、ニーズの多様化である。空腹を満たすためだけでなく簡便さや機能性など付加価値の高い食品や高齢者向けの介護食などニーズに合わせた質の高い商品を創り出すことが重要だ。また安全面から海外産ではなく国産食材の需要が高まっていることから、国内の生産者との強がりを強め国内の生産力を強化することにも注力すべきだ。
このように商社は時代の変化をとらえ、商社の価値向上や事業の見直しに尽力することが重要である。また一社員としても目の前の仕事をこなすだけでなく、会社のあり方を考えられる人材に成長したいと考える。よって、丸紅食料社員として働くためには食に対する知識と商品開発力を持ち、時代の変化に合わせて商社の価値向上と新規事業をはじめとした柔軟な事業展開を行うことが重要であると考える。
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