高校の演劇部で○○発表会で最優秀賞をいただいた「□□」という劇を挙げたいと思います。
私は1年生から引退までメインで照明をやっていました。照明がつかないと舞台は始まらないので責任は大きく緊張感もありました。しかし、演出と話し合って理想の明かりをつくり、キャストとタイミングを合わせていく過程はやりがいがあり、仲間と協力してひとつのものをつくる面白さを最大限に味わえる役だったと思います。
私たちの代は、秋の大会で思うように結果を残せませんでした。その原因として、部員全員の意識が低く、だれも上の大会に進めるビジョンが見えていなかったことがあげられます。自分たちの劇を、自分たちが面白いと思えていなかったのです。
その反省をふまえて、春季演劇発表会にむけて準備を始めました。この大会は引退前最後の発表会でした。部員全員で脚本を読み込み、限られた時間・設備・予算のなかでいかに面白い劇をつくれるかを話し合いました。春季演劇発表会はホールではなく多目的室に舞台と照明・音響機器をセットした場所で行うため、演出上の制約が大きく、思った通りの演出が行えない場面もありました。例えば照明では、前からの明かりが一括の設定でしか使えないため、上手だけ、中央だけなどといったように照らすことができず、スポットライトのような上から一部だけを照らす明かりに前からの明かりを足すことができなくなり、少しでも下を向くとキャストの顔が見えなくなってしまいます。これを防ぐために衣装の帽子をつばの小さいものにしたりキャストに視線の角度を伝えたりと工夫を行いました。
部員全員が今度こそ賞を取ろうと意気込んでいました。以前よりも欠席者が減り、練習の際の意見も活発に出るようになりました。その結果、発表会では最優秀賞をいただくことができました。照明も物語のなかの時間帯に合わせて明かりを変えたり、人物の心情に合わせた使い方をしたりと工夫が光っていたと講評をいただきました。
この経験から、チームでの制作では全員が同じところを目指すことが需要だと感じました。見る人に伝えたい核となる部分を共有し意識することで作品はより良くなると思いました。また、なによりも作っている側が楽しむことが大切なのだと学びました。
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