私のゼミでは空間的広がりからツーリズムについて考察するというテーマが掲げられています。中でも私は、「旧中山道における宿場の整備状況の差異」をテーマに個人研究を行いました。中山道にはかつて69か所の宿場が設定されましたが、そのままの形態で現存しているものはほとんどありません。多くは都市化に伴う道路整備や住宅の建設によって変化を余儀なくされ、現在では宿場があったことを示す碑が建設されているのみであるケースも少なくありません。しかし、一部馬籠宿や妻籠宿などの宿場においては宿場町の再現がさかんに行われており、積極的な観光客の誘致が行われています。私はそれぞれの宿場の整備状況にばらつきがあることに着目し、宿場内の道路や建造物の整備状況の調査を行うことにしました。また、その結果より各宿場の整備に反映される自治体の意向に関する考察を行いました。本研究では69宿すべての宿場を対象に道路整備状況資料の参照とフィールドワークによって調査し、各宿場の現代における整備状況の差異を考察しました。これより、各宿場の道路整備の状況や建造物再現の概況を把握し、各自治体の地域振興の手法の差異を見出すことに成功しました。
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