自分が最近読んだニュースで印象に残っているのは、『クルーズ船の隔離は「失敗」だったのか、専門家が語る理想と現実』というニューズウィーク日本版の記事である。そこには、「閉鎖空間であるクルーズ船で1人の乗客が新型コロナウイルスに感染したことが発覚した時点で、誰もが負け戦を覚悟していた」、「乗客3000人以上の受け入れ先や搬送手段を用意できないなどといった理由のために早期の下船は不可能だった」、「検疫介入を始めた2月5日以降の発症者の多くは介入前に感染した者であり、感染者数の推移からは介入の効果は認められた」といった内容が綴られていた。それは自分にとって目の覚めるような話だった。というのも、自分はそれまでクルーズ船内の封じ込めはウィルスの培養の役にしか立たなかったのではないかと考えており、この記事を読み、現実の状況で生じる無視できない問題を見逃していたことに気づいたからである。このことから、ニュースを通してしか事件を知ることのできない自分たちは結果だけで即断しがちだが、それでもその結果に至るまでにあっただろう出来事や人々の試みも考慮した上で物事を見るように努めた方がいい、と自分は考えている。
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