修論での研究テーマは「光触媒を用いた硫黄系還元剤を含む水溶液中からの水素生成」です。卒論において硫化物光触媒が一定の硫化水素分解能を示したことから、さらなる発展的な研究として修論では反応系を変え、硫化水素を分解した際の水素生成量測定を行っています。これまでの研究から、多孔質構造を有する物質の内部に光触媒を形成することで、光触媒活性が向上し最大14倍水素生成量が増加することを見出しました。そして現在は、光触媒材料に変化を加えてさらなる性能向上を目指し研究を行っています。研究していく中での気づきは、視野を広げて物事を考える大切さです。光触媒の性能はg当たりの水素生成量で評価されるため、光触媒の活性を高めるために高活性な光触媒同士を複合するのが一般的ですが、あえて光触媒以外の多孔質材料に目を向けたことが性能向上に繋がりました。また苦労した点は、研究成果を論文にまとめる際に英語での論理的な文章の構成が必要だったことです。私は英語が得意ではありませんでしたが、研究成果を世界に向けて発表するには英語での論文投稿が必須であるため、何度も添削をしてもらいながら粘り強く論文を書き上げ、投稿に至りました。
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