私は貴社で,全線路内の状況を把握出来るシステム,そして,線路内に人や車などの障害物が突然侵入して来たとしても,瞬時に検知し,最短距離で列車を停止させることが出来るシステムの開発に携わりたいと考えています.数年前,JR横浜線の踏切で,線路上にうずくまっていた高齢者を助けようとした女性が,電車にはねられ死亡した事故がありました.運転手がかけた急ブレーキが一歩間に合わず,悲惨な結果を招くことになってしまいました.より急激な停止を可能にする列車制御システムが開発されていたら亡くなることはなかったと,あの時の悔しい思いを形にしたいと強く思いました.頻繁に発生する人身事故を始め,列車事故で悲しむ人たちをこれ以上出したくはありません.今まで工学部生として学んできた知識や勉学に対する姿勢を貴社で活かしたいと考えます.私は目視では確認できない構造物内部に発生する損傷の検出法に関する研究を行っています.航空機やロケット等に利用される技術で,構造の状態を常時把握可能とします.空中分解などの大事故に繋がる前に損傷を未然に検出することで,航空機の安全な運行を保証する,つまり人々の命を預かっているという「責任感」と「熱意」を持って日々研究に取り組んでいます.研究で行ってきた実験では得られた膨大なデータを様々な観点から解析することで,些細な違いも見逃さない「分析力」を身に着けました.加えて,困難にぶつかった時には,図書館で新たな知識を蓄えに行ったり,先生に意見を聞きに行ったりと自発的に行動し,周りを最大限利用する中で,根気強く課題に取り組みました.近年,AIの急速な発展により,「システム」と言うものがより一層重要視される中で,交通インフラをシステムの面から保全している貴社は,ますます必要不可欠な存在になってくると考えます.研究を通じて培ってきた知識や姿勢を仕事の場で発揮し,列車事故ゼロの世界を築いていきたいと考えます.
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