ここでは「乗用車」を「用途が日常生活で乗ることに限る自動車」とします。私の経験上、乗用車は世帯単位で主に保有していると考えられるので、世帯ベースでこの問題に取り組むのが最も良いと考えました。このとき、乗用車を購入する世帯は「新規で購入する世帯」、「買い替えのために購入する世帯」に分けられます。よって、1年間の新車販売台数は、「新規で購入される台数」と「買い替えのために購入される台数」の合計で求めることができます。
まず、「新規で購入される台数」を考えます。これは次の式で表すことができます。
「新規で購入される台数」=「世帯数」×「乗用車の非保有率」×「新規購入率」×「平均購入台数」
「世帯数」は「都会の世帯数」と「田舎の世帯数」に分けることができます。日本の人口を1億2千万人とし、「都会の人口」と「田舎の人口」を単純にどちらも6千万人と仮定します。そして、1世帯当たりの人数を、都会は3人・田舎は4人とすると、「都会の世帯数」は2千万世帯・「田舎の世帯数」は1千5百万世帯と算出できます。「乗用車の非保有率」、「新規購入率」は世帯主の年齢によって異なると考えられます。これは、年齢によって収入などが変化するからです。しかし、ここでは単純化して都会か田舎かで考えることにします。「乗用車の非保有率」は都会では0.4、田舎では0.2とし、「新規購入率」は都会では0.1、田舎では0.2と仮定します。そして、「平均購入台数」は1台とします。これは、車は高価なので一度に2台以上購入するのは非常に稀だと考えたからです。
次に、「買い替えのために購入される台数」を考えます。これは次の式で表すことができます。
「買い替えのために購入される台数」=「世帯数」×「乗用車の保有率」×「乗用車が買い替えのタイミングである確率」×「新車を購入する確率」×「平均購入台数」
「世帯数」は先ほど算出した通りです。「乗用車の保有率」は先ほどの「乗用車の非保有率」から求めることができます。「乗用車が買い替えのタイミングである確率」は車の耐用年数から考えます。私の実家は、私が生まれてから3台の車を乗り換えているので、これを参考にして耐用年数は8年とします。さらに、すべての車の耐用年数は等しく、使用年数は一様であると仮定すると、「乗用車が買い替えのタイミングである確率」の値は8分の1と考えられます。「新車を購入する確率」は買い替えのタイミングで、必ず次の車を購入すると考えて1とします。「平均購入台数」は先ほどと同じく1台とします。
以上の仮定から算出すると、「新規で購入される台数」は140万台、「買い替えのために購入される台数」は300万台です。
日本における1年間の新車販売台数は、「新規で購入される台数」と「買い替えのために購入される台数」の合計であるので、440万台考えることができます。
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