自らの研究発表の失敗を通し、相手の立場に立って考えることの重要さを知りました。
私が初めて研究発表をした際、聞き手側から「話が唐突で着いていけない」「話の流れが理解できない」と指摘されることがあり、内容をうまく伝えることが出来ませんでした。そこで発表時の課題として、聞き手側へ背景知識が十分共有できていないのだろうと考えました。私はまず見せるデータを理解するのに必要な背景知識をデータごとにリスト化し、漏れの無いようにしました。また、背景説明が冗長過ぎても焦点がぼやけてしまうのではないかと危惧したため、テーマを詳しく知らない学科の同期を相手に、どれくらいの情報が最低限必要かをヒアリングしました。得られた情報に基づいて背景知識の取捨選択を行い、発表を洗練しました。結果、必要十分量の背景知識を提供することで聞き手側に立った発表を行うことができ、卒論発表会では研究室外の教授陣からも今後の研究の方針に関わるたくさんのアドバイスを頂けました。理系の研究者であっても高いコミュニケーション能力が必要であるということがよく言われていますが、以上の経験から私は「相手の立場を想像する」ことがコミュニケーションでは非常に重要なのではないかと思い至りました。
またチームや組織の中で生まれた障壁を改善した経験として、所属サークルを危機から救うという目標を設定し、サークルの新入生数を増加させた経験について述べます。
私の所属した合唱団では近年の課題として入部者数の低迷が挙げられていました。合唱団における入部者の減少は、演奏の質の低下という重大な問題を引き起こすためです。私はサークルを救うため、入部者数の増加を目標に掲げ新歓代表を務めました。以前の新歓活動の問題として、新歓活動の幹部や団の運営幹部に負担が集中するという状況があったため、メンバー全員が新歓活動に参加する状況を作り出すための施策を講じました。
新歓活動へのコミットが低い人がいる理由として「①新入生とどう接すればよいかわからない」「②自分が関わるか否かに関わらず新入生の数は変わらないと思っている」という2つが考えられました。
①は「新入生をリードしながら話すことへの不安」が原因だと考えました。そこで自サークルの魅力を分析し端的に説明する練習やフリートークの練習をする勉強会を企画しました。ここから「一分間プレゼン」や「あいうえおトークテーマ集」といった新歓の場面で使える技術が生まれ、メンバーが自信をもって新入生に接する一助になりました。
②の改善のために、勉強会を参加型形式にすることを考えました。具体的にはメンバーが二人一組となって、新入生と相対する場面を想定した新歓のロールプレイングを行いました。その中で適切だと感じた話のスピードや目線の合わせ方、サークル紹介冊子の使い方を全体へフィードバックしてもらい、新歓活動本番で生かすようメンバーに周知させることが出来ました。これにより誰もが新歓に影響力のある存在だということを自覚させることができたと思います。以上により習得した端的に話す力と雑談力を生かし、多くのメンバーが当事者意識と自信を持って新歓活動に取り組むようになりました。結果平年比120%の新入生数を確保でき、翌年の演奏会で演奏の質を担保することに貢献できました。また一体感のある活動を通して、団内の団結も高まったと感じています。
続きを読む